2017年8月19日に福知山城で行われた「くの一武道大会丹波福知山の段」。 果たして栄えある優勝の座は誰の手に…?
最後には尼子騒兵衛先生のプチNin-terviewもあります!
九字で乗り切る人も「飛び石渡り」
さぁ、続いてはとっても忍者っぽい競技がやってまいりました。水の上に設置された足場をピョンピョンと渡って行き、向こう岸へと到達するタイムを競う「飛び石渡り」です。
なんかめっちゃ滑りそう…!ってかずれそう!
くノ一のみなさんも呆然としています。
このハシゴを降り、一番下の段に立ってからスタートの合図を待ちます。
すごい、めっちゃピョンピョン行ってる!
水を切ってる感じがかっこいいー!
このお姉さんがめちゃめちゃ速くて、3秒で対岸まで渡りました!
気持ちよく跳んでいけるとこんな風に笑顔が出てしまうほど楽しそうな競技。でも少しでも恐れやためらいがあると…
ボチャン!!
ザバーン!
バッシャーン!!
と、一気に落ちてしまいます!しかも落ちちゃうくノ一が結構いる!
これが潜入時だったら見事にモロバレで矢が飛んできますね!
飛び石渡りは今までの競技と違い、少しでも気を抜けば思いっきり水に落ちてしまうちょっと勇気のいる競技ですが、次々と人が水の中に落ちていきます。
あれ?待っているあの人…何やってるんだろう…?智拳印…?
よく見ると、自分の番を待っているくノ一が九字の印を切結んでいるような気がします。
気のせいかな…
間違いない!あれは「皆」の印だ!
九字の印を切るのは精神統一のおまじないとされていますが、緊張されていたのか、このくノ一さんは出番前に九字の印を結んでたんです。
リアルに実生活の中で九字印結んでいる人、初めて見た…この人きっと本物だ…
全く期待していなかったのですが、どうやらここで本物の忍者さんに会ってしまったようです…!
さぁ、果たして結果は…
ぼちゃん
先輩たまたまです…!お疲れ様でした!
そして60番のこのお姉さんが昨年の優勝者のようです。
さすが昨年の覇者!男性とも互角!
ここに来て果たして誰が一番優勝に近いのかがわからなくなってきました。決戦は…最後の水上走りに持ち越されます。
本性が見え隠れする「水上走り」
そして最後の種目は、30mくらいに繋いだ板を水の上に敷き、その上を走る水上走り。大会で一番盛り上がる競技だそうです。
一体なにが盛り上がるんだろう…
何が起こるのか予想がつきませんが、期待して見守ります。
まずは1番と2番のくノ一の走行です。
この競技、水の上に浮かんでいる1枚目の板に先にどっちが乗れるかが勝負のようです。
先に乗られてしまうと、前の人のおかげで板が沈んでしまうので、後ろの人は足元のバランスがとてつもなく崩れます。
最後の黄色い線が引いてあるところまで、30mほど走ったらゴール!スタートからゴールのタイムを競うことになります。
すごい…水を操っているようなスムーズさ!兵庫水軍の一員にすら見えて来た!
2人同時にスタートすることになるので、ポジション次第で勝負の明暗が分かれます。一番綺麗に、そして一番速く走られたお手本のようなお姉さんの走行動画がありますので見ていきましょう!ちなみに大木雅之助先生のどこんじょー感溢れる実況もお楽しみください。
これぞKUNOICHI!!美しい水上ダッシュに釘付けですね!
ただ、この板はかなりヌメヌメして滑るらしく、あれだけのバランスを保つのはかなり大変なようで。。。先ほどの飛び石渡りで3秒台の驚愕なスピードを見せてくれたお姉さんも、こうなってしまうんです。
バランスを保ち、板の横に立てればよいのですが、もし踏みとどまれないと…
と、全身ずぶ濡れの辱めを受けてしまうことになるのです…!
そうか…このポジション争いと、それに負けた時の水にがっつりコケていく姿。これが水上走りの面白さなんですね!
ということで、特に面白かった水上走りの珍プレー・好プレーをランキング形式でお届けしたいと思います!
第7位:頭脳派の好プレー
最初の1枚をいかに取れるかが勝負だと申し上げましたが、この6番のくノ一は先に相手にいかせます。大木先生も「なんで動かないんだー!!」と怒鳴っています。
あ、5番のくノ一が自らコケていきましたよ。
6番くノ一はその隙にトコトコーっと抜いていきました。
余計な体力を使わずに相手の実力を読んであえてやっていたのだとしたら…なんという頭脳派!
彼女をタソガレドキ軍の軍師にした方が良いのではないかと思うくらいの好プレーでした!
第6位:NHK万歳!体を張ったプロの仕事
40番のお姉さん、実はNHKのアナウンサーでこの大会に取材で自ら体験しつつ乗り込んでいたお姉さんでした。
ヘッドカメラをつけて、臨場感を伝えようと一生懸命走りますが・・・
思いっきり真っ正面からずっコケていきました!
こんなの外のカメラもヘッドカメラもめちゃめちゃイイ画が撮れたでしょ…芸人でもないのにプロ根性がすごいです!
果たしてこの番組はいつ放送されるのかはわかりませんが、わかったらぜひ見てみたいですね!
第5位:後ろからどーん!
この1枚の写真が全てを物語っています…
立っている彼女は、後ろから前のくノ一の背中をめがけてドーンと押し倒したのです!
一本道で遅いことは命取りということか…(カイジのブレイブメンロードを思い出す)
第4位:先手必勝!前年覇者を堕とせ!
先ほどご紹介した昨年の覇者の60番と59番のくノ一さんの対決。
激しいポジション争いが行われていますが、59番の左手にご注目ください。
肩に手かけてない…?
そのまま肩から昨年の優勝者を水面へとグッと押し出し…
59番のくノ一さん、見事に出し抜きました!
汚い…!さすが忍者…きたないぜ!
第3位:ディフェンスに定評のある優勝候補キラー
手裏剣打ち・吹き矢とパーフェクト達成だったお姉さんの出番。
ここもすんなりいけばおそらく優勝だと思われますが、ここで対戦相手がタダでは優勝させてくれませんでした。
個人的な恨みでもあったのかと思ってしまうほど意図的なインターセプト!でもこれは世間でも類を見ないナイスディフェンス!
第2位:おそろしや…くノ一同士の闘い…!
くノ一とは決して怒らせてはいけない生き物。闘争本能がむき出しになると、こんな感じになります。
仕掛けたくノ一はこんなお姿に…くノ一を怒らせては絶対にいけません!
第1位:天下一の落第忍者!
最後の珍プレー対象は、会場を大笑いの渦に沈めてくれたくノ一さんをご紹介しましょう。
幸先の良いスタートを切った10番のくノ一さんにご注目ください。
バランスを崩して転倒してしまいました。
そこを抜こうとした9番のくノ一を後ろからがっちり捕まえ、道連れにしようとしています。
しかしものの見事に振り切られ、あっさり転倒!これで2回目の転倒です。
その後も忍たまのギャグシーンそのまんまかと思うくらいの、転倒に次ぐ転倒!
右に左に、ダイナミックに転んでいきます!
お腹痛い…このキャラ1年は組にいてもおかしくないくらい!
落第忍者の誕生でした!
優勝は誰の手に…
うだるような炎天下の中、5種目を終えたくノ一達。果たして優勝を手にするくノ一は誰なのでしょうか?
大木先生の合図で結果発表へと移ります。
尼子先生の口から発されたNo.はなんと・・・
2番のくノ一の方!
そして1番と49番のくノ一さんが準優勝!
確かに一番最初の2人は、あとの方達の印象によって競技が終わるときには忘れてしまっているのですが、何気にどの種目でも平均以上の好成績を残していたんです。
大木先生もおっしゃってましたが、目立たないのがくノ一と言うもの。
他に注目を集めていても着実に自分が結果を残す感じ、実に忍者っぽくていい結果でしたね!
これにて最後のくノ一武道大会が幕を閉じました。
尼子騒兵衛先生のプチNin-terview!
最後に少しのお時間でしたが、忍たま乱太郎の原作・落第忍者乱太郎尼子先生に今大会の総括などについてお話をお伺いしてみました。
先生お暑い中、自ら点数をつけるなど大変お疲れ様でした!20年ほど続いたこのくノ一武道大会、もともとはどんな経緯で始められたのでしょうか。
尼子騒兵衛: 21年前、私がまだサラリーマンをやっているときに福知山からお城で何かできないかとお声がけいただきまして、それからの付き合いで始めた大会でした。忍者の大会というのは甲賀の忍術村などでもありますが、くノ一だけの大会というのはそれまではありませんでしたので、マネージャーが指揮をとってここまでやって参りました。
私はゲストということで、忍たまファンの皆様がわざわざ交通費実費でここまでお越しいただいており、競技自体はそれほど難しいものではないにしても、普段体がなまってしまったくノ一達が川でドロドロになったりしていましたよね。でもみんな笑顔で楽しんでくれていたと思います。ずっと素敵なイベントだと感じておりました。
手裏剣打ちもご覧いただいてわかるようにみなさんヘロヘロですが、手裏剣打ちがいかに難しいかもおわかりいただけるかと思います。テレビなどではいとも簡単に飛び交いますが、手裏剣の難しさなどを感じてもらい、少しでも忍者に興味を持っていただけたらよいな、ということでやってまいりました。
見ている方も楽しかったですが、やっているくノ一たちがみなさんとっても楽しんでいらっしゃいましたね!今回で最後ということですが本当に最後なのでしょうか…
尼子騒兵衛: そうなんです…年齢的に私がしんどくなってきてしまって(笑)
おっとそういうことだったのですか!残念です…尼子先生が思う福知山城の魅力があれば教えていただけますか?
尼子騒兵衛: 福知山城に限ったことではないのですが、お城の石垣には墓石が使われることがあります。ただ福知山城に関しては、ほとんどがなぜか「逆さま」に積んであるんです。私は、このお城を建てた際にあえて呪術的な意味合いを強く込めたものではないかと考えています。
「逆さま」というのはその昔、とても呪術的なものと考えられていました。逆さ柱や死人の着物が逆さだったりとか。忍者にも「逆さ走り」などがありますが、それだけで相手がびっくりするほど、昔の人々は現代人が考えるよりも「逆さ」に対して恐れを抱いていたのです。
それはすごく興味深いですね…明智光秀がもしかしたら信長に念とか込めたのかも…とか歴史的な背景を知ると見る目が全然変わりますね。
尼子騒兵衛: 忍たまファンのみなさん知っているのではないでしょうか。福知山城は私が書いている漫画の時代ととても合いますので、この立派な城郭はとても美しく、今回のイベント行う意味でもぴったりでした。また、参加者の方にはお城の中で着替えていただいているのですが、お城を使わせていただくことは滅多にできません。歴史や忍者ファンの心をくすぐるお城だったのではないでしょうか。
自分もお城の中で着替えてみたかったです!漫画とぴったりとありましたが、いつかちゃんとロングインタビュー的に先生の「歴史観」についてお伺いしてみたいのですが、少しでもお話できることがあれば教えてください。
尼子騒兵衛: 私は歴史が好きなのですが、最近SNSなどで写真を逆転させることが多いじゃないですか。先ほどの「逆さま」の話じゃないですが、イラストなどでも着物が平気で左前で逆になってしまっていたりとか。カッコよく見えると思ってやるのは良いのですが、やはりそれを歴史的な意味として考えると違うのではないかな、と思ったりすることがあります。ゴッホだって岡本太郎さんだって奇抜な作品が有名ですが、彼らは基本のデッサン力は凄いものです。しっかり一次資料にあたったり、基本的な考証は絶対に外さないなどは、歴史を扱う上では大事にしたいですね。
ありがとうございます!また今度忍者についてごゆっくりお話を聞かせてください!ちなみにこの後の男子禁制の懇親会はどんな感じで行われるのでしょうか?めちゃめちゃ気になっています…!
尼子騒兵衛: 改めて優勝者・準優勝者の発表はもちろんのこと、それ以外にも様々な賞がありまして、頑張った人、悪目立ちした人を表彰したりします。ブービー賞やどっこら賞などもあります(笑)夜はサイン会で、くじ引きで出てきたキャラクターのイラストと、そこに直筆のサインをつけてお渡しするんです。また、非売品のオリジナルイラストでのTシャツを進呈したりもします。
Tシャツ羨ましいです!すごく楽しそうですね!この後、ファンの皆様と楽しんできてくださいませ。本当にありがとうございました!
自分にとっては最初で最後となってしまった福知山のくの一武道大会でしたが、こんなに面白いイベントがあったなんて…もっと前からJackしに行けばよかったと後悔してしまいました。
福知山城は本当に立派なお城なので、ぜひ時間があれば行ってみて「墓石何個あるか」数えてみるのも面白いかもしれません。
もし尼子先生や大木先生の気が変わって来年もやるようだったら、またレポートしたいですね!
世界各地で活躍する諸将の皆様へ、Ninjack.jpを通じて各地の忍者情報を密告する編集忍者。忍者に関することであれば何でも取材に馳せ参じ、すべての忍者をJackすべく忍んでいる。