▼前半戦はこちら!
まだまだつづくNinjack座談会!
さぁ、次は人間の欲に関する記述ですよ!
利根をもって欲心を隠すこと
人に欲心なき者はいない。いつもは理性で欲心を隠しているものである。欲心にもいろんな種類があり、無欲と見せて大欲がある人もいる。この人は少しの賄いは受け取らないが、大量の賄いであれば受け取るものである。これを「無欲の大欲」という。また金銀に欲はなくとも色欲がある者もいる。まずは付け込む人の大欲小欲を計る必要がある。
人の欲…人それぞれだよね〜。直くんはどんなタイプ?
お金を提示されたら怖くなっちゃいますけど、可愛い女の子が近寄ってきたら秒殺です。
うわー引くわー。単純だなぁ
いやいや、嵩丸さんに言われたくないです!笑
ほんとそれw あ、次は忍具についてだね!
忍び笠のこと
これは編み笠のことである。顔を隠すのに用いる。また夜中に道で都合の悪い知人とすれ違うとき、挨拶しては都合が悪く、かと言って焦って隠れてもバレる。こういう時は両手で顔を隠して通ればオーケーである。この術を「内伝の忍笠」という。
「内伝の忍笠」!響きが秘伝の奥義みたいでカッコよすぎる!!
でもよく考えてください…両手で顔を塞ぎながら道を歩いていたら明らかに変な人ですよね。もはや、バレるとかバレないとかの話じゃないような…
…僕たちのワクワクを返せ!
人家を眠るを知ること
家の軒先へ、先端に小石か鉄砲玉を付けた糸を垂らして、地面スレスレにしておく。そのおもりが地面に着いたら、家の者は眠ったと分かる。これは人の気が鎮まるためである。
さぁ、なんかちょっとオカルト入ってきましたよ。
でもコレ落第忍者乱太郎で出てきたよ!最初の方だった気がする。
僕も実験したわけではないのですが、本当に軒先は深夜少し下がるらしいですよ。一軒家の軒先に糸を垂らして、地面スレスレにおもりを付けておくと、午前二時頃に地面に着くそうです。忍者で有名な川上仁一先生が『まるごとにんじゃ』という子ども向け絵本のコラムに書いてました。
マジか!今度実験企画やろう!
犬を用いること
この犬とは、本当の犬ではなく、人を用いるということである。犬という字は、「一人」と書いて点を添える。これは一人に一人を付け置くという意味である。このように、人に人を付けて、先方のことを調べるのである。
この作者、忍の一字のときもそうだったけど、金八先生なみに漢字へのこだわりがあるよね。
僕らのこの座談会を天国から見て「このっ、バカチンがぁ〜!」って思ってらっしゃるかもしれないね。
それもう、金八先生ですやん。
忍び妻のこと
人家へ忍び入るときは、女への恋文や誓いの手紙を作っておき、髪留めなどのプレゼントも持って忍びこむ。もし先方に捕らえられたとき、こうした物があれば、不義密通であると言い開けば、忍びであることは詮索されない。
たぶんこの伝書の中では、一番有名な術ではないでしょうか。「BS歴史夜話」でも磯田道史先生が紹介されていました。
さすが詳しい!ユニークだし、合理的だし、感心させられるね。
どうせなら任務のついでに本当に不義密通したい…!なんて不道徳なことは言えない…
一体分身のこと
忍び入って見知られてしまったときは、他の人の着物を着て、大小の刀を差し替えれば、風体が変わってバレないものである。また、言ったら自分の都合が悪くなるような事柄を人に言わねばならないとき、他の人に言わせるように仕向ける。これも一体分身の術である。
ワクワクしてたけど分身の術っていうのは、僕たちがイメージする分身の術というよりも、実態はこんな術だったのかもね。
都合の悪いことは人に言わせる、っていうのが、ちょっと小賢しくもありますね。この伝書を読んでいると、忍者のイメージ変わるって言う人も少なくなさそうです。
窓下に忍ぶこと
忍ぶには窓の下が最も良い。なぜなら、窓の下には気付かないものだからである。さらに「窓蓋」という物を持って行くとなお良い。これは窓の下に当てて隠れるものである。板の形をしているが、口伝がある。
「窓の外に人の気配が!……ふーむ、誰も見当たらないぞ。ところで、ウチの家の窓の下に、こんな出っ張りあったっけな?」ってなるってことか!ヤバい、攻めすぎてる!
昔の忍者さんのこういうところ大好き!!
鉤縄のこと
使い方は七通りあり、忍びはもっぱらこれを用いる。
鉤縄の使い方って7通りもあるんだ!やっぱり使ってたんだね。感動!
もっぱら用いるとあって、我々の抱く忍者像に近いところですね!
盗賊のこと
忍びは、盗賊を見て学ぶべきである。忍びは入って様子を伺うだけであるが、盗賊は入って財宝を盗む。そのため忍びよりも盗賊のほうが一段上手である。忍びは盗賊よりもイージーであると心得るべきである。
え!?忍術伝書『萬川集海』とかだと忍者と盗賊の違いを説いてて「俺ら忍者を盗賊と一緒にすんな!」って感じなのが多いのに、ここでは盗賊は忍びの師匠という流れになってる…ちょっと斬新だわ。
にしても「イージーである」って現代語訳、イカしてるね!ニンニンジャーのアオニンジャー思い出したw
水壁のこと
忍び入ろうとする壁塀などに、毎日塩水を掛ければ、風化が進んで自然と穴が空く。この穴から忍び込むのである。穴は急に空くと目立つものである。
山田先生が取材のとき言ってたのって、このことだったんだ!
でもまぁ確かに、朝起きて穴が空いていたら目立ちますが、それとは別に毎日他人の家の土塀に塩水をかけるのも目立ちますよね(笑)
毎朝早起きして塩水をかけ、苦労して空けた穴が、もしある日突然塞がれちゃったりしてたらそれはもうショックだよね。当分立ち直れないかも…
人の仲和ますようのこと
その人のことを陰でも悪く言わないと固く思えば、自然と仲良くなるものである。その人の親・子・妻などにも言い含めておけば、無二の友達になるものだ。
友情ってそんな簡単なものかなぁ…
「俺さ、あんたの旦那の陰口言ってないんだよね」って奥さんに言うだけで無二の友達とは…今度とみ丸さんの親に言ってみていいですか?
そんなことわざわざ言う人は嫌いだよ!笑
我本性隠すようのこと
自分が好むことは、他人には好んでいないように語る。そうすれば本性は隠れるものである。人は意識しないと、本性が表れてしまうものだ。
仲良くなれそうにないわ〜
ニンジャ信用ならんわ〜
酒に不和なきこと
人に言いたいことで、普段ではちょっと言いにくいことは、酒を飲んで酔った時に言う。そうすれば、先方も「酒飲んでるし、仕方ないか」と思ってくれるものである。
これって今も結構そうじゃないですか?
そうだけど飲みすぎて言いすぎると、翌日から口聞いてくれなくなる場合があるので気を付けましょう。
形相見るようのこと
怒る時に顔が赤くなる人は勇相であり、青くなる人は怯えがある。また眼を大きくして喋るときは嘘を話すときであり、常に歯を見せて喋る人は貧相である。いつも下唇を噛みしめている人は、他人の心を気にする人である。
編集忍は目いつもおっきいよね。話してることほとんど嘘なんだね。
ちょw 否定しないけどw
というわけで「当流奪口忍之巻」から一部抜粋して紹介してきました!この書の最後は、次のように結ばれます。
所伝の一巻、これは当流の秘事である。伝授の資格を得ている者(弟子)であっても、その者をよく察してから授けるべきである。軽々しい人には伝えてはならない。邪(よこしま)な人の謀策にも注意しなければならない。
当流奪口忍之巻を読んでみて
いやーすっごく楽しかった!三大忍術伝書に比べるとマイナーなのかもしれないけど、それらとの違いや人間らしいことがたくさん書いてあってもっと読みたくなった!
「当たり前だろ!」ってツッコミ入れたところも、もしかしたら忍者がそう残してくれたからこそ、当たり前っていう価値観が現代にも受け継がれているのかもしれない。そう考えると忍者が現代に残してくれたモノは大きいよね。
今日紹介したのは一部だけでした。全部知りたいという方は本を買って下さいね!
この企画って次回もあるの?
この記事の閲覧数によるんじゃないですかね…
次やるときは女性の観点とかも入れたいね!
世界各地で活躍する諸将の皆様へ、Ninjack.jpを通じて各地の忍者情報を密告する編集忍者。忍者に関することであれば何でも取材に馳せ参じ、すべての忍者をJackすべく忍んでいる。