念願の伴家忍之傳研究所合宿への潜入に成功!
忍者に憧れを抱き始めたあの頃、どうしても気になっていた団体がありました。
その名も「甲賀・伊賀流伴家忍之傳研修所」という謎の団体です。
自分が高校生くらいのときに何度も ウェブサイトを 訪れてチェックしては、遠いので 門を叩くことをいつも諦めていた道場…
それから十数年が経った今、ご縁があってこの伴家忍之傳研修所の合宿に取材として参加させていただけることになりました!
仕事の関係で初日しか参加できませんでしたが、謎のベールに包まれた伴家合宿の様子をお届けいたします!
参加メンバーの外国人の多さに驚く
やってきたのは滋賀県の琵琶湖のほとりにある「海津天神社」という広い野原内に佇む神社。
少し奥に進んでいくと、これから初日の合宿稽古が始まるところでした。
こちらに写っている清本泰志先生は、甲賀流・伊賀流忍術を継承する甲賀伴党二十一代宗師家・川上仁一先生の門弟さんで、今回の合宿で教えてくださる先生です。
歴史群像の忍者特集やテレビ、イベントでの演武などで様々な術を拝見させていただきましたが、こうして近くで稽古を見ることができるとは…!
普段は稀にしか道場を開くことがない清本先生ですが、外国人を主な対象に7泊8日の合宿を行っています。
一部日本人の方も参加してはいるものの、外国の方の多いこと多いこと!
集まった方たちは、スペイン・チリ・アルゼンチン・アメリカなど様々な国から、毎年この合宿のために来日しているようです。
指導は基本的に日本語で行うので、国際忍者研究センターの研究員であるクバーソフ・フョードルさんが通訳をしてくれます。
いよいよ稽古が始まります!
早速始まる稽古!気合だけで殺られそう…
忍者として争いを避けるためにビビらせたり、人と対峙しなければならない時などは、気合を飛ばせるようにならなければなりません。
清本先生よりお手本とご指導をいただいて、みなさんも一緒にやってみます。
めちゃめちゃ真剣で、自分がこれやられたらチビってしまいそうな剣幕でした。
NINJA DOJO and STOREの市川伊蔵さんも参加されていましたが、やはりカッチョ良いです!
この気合を飛ばす時は、思いっきり声を出す場合と無声で行う場合の2パターンがあるのですが、急に後ろから「エエエエエイイイィィィ!!」と大声を出されてビックリして振り返ると…
あのリアル山伏の岡本頼幸さんがこっちに向かって気合とガンを飛ばしているではありませんか!
神出鬼没の忍者達はどこから何をしてくるかわからないので注意が必要ですね…!
忍者は目力や強い身体が必要!ユニーク稽古法
「こんなの覚えられない…!」というスピードで、次々といろんな稽古法を教えてくださる清本先生。
みなさんなんだか不思議な動きをしていますが、一体何をしているのでしょうか?
これは視力の稽古で、忍者のメイン任務は斥候(敵の陣地や軍勢をひっそりと観察して調べること)ですので、やはり目が良くなくてはいけません。
このように腕を出して、手前に視点を合わせたり、遠くに合わせたりというのを素早く繰り返します。
これをスピーディーに繰り返すことによって視力や動体視力が鍛えられるのだそうです。
普通の武術と違って、このような稽古法が入ってくるのが忍者ならではなので大変興味深いですね。
そしてこれは喉を鍛える稽古法。
喉は急所になるので、こうやっていざ敵から急所を突かれたときにビックリしないように慣れさせておくのが目的なのです。
なんだか志村けんみたいな人がいますが、これは決してバカ殿になってしまったというわけではありません。
この記事を読んでいる方は、試しに今思いっきり笑った表情をしてみてください。
首の筋肉がガッチリと固まって、そこに打撃を加えても鋼のように固くなっていませんか?
このように笑顔の表情をすることで、急所を守ることができると教えてくださる清本先生。
もし敵に遭遇したりしたら、思いっきり笑って首を守るというのを覚えておきましょう!
忍びの歩法を伝授!たくさんある歩き方
続いて教えてくださったのが、忍びの歩き方。
身体を開いて横に歩いたり走ったり・・・
抜刀しながら走る方法など教えていただきました。
ちょw こっち来ないでくださいw
刀を持ちながら低くて暗闇の中で歩く方法などもみんなで訓練しました。
なるべく腰を浮かさず、地面を這うように歩くのがポイントです。
このとても可愛いアメリカの方は、身体が柔らかくて大変スムーズに歩かれていましたね!
ちょw またこっちきたw
忍者のみなさんは普段忍んでいるからか、カメラが大好物みたいですね!
個人のレベルに合わせた指導で自己をひたすら磨く
続いては刀を使っての稽古に移ります。
みなさんなかなかサマになっていますね!
今回来られている方達は、普段それぞれの国で武術の道場を開いている方達なので、基本的なことは身についているのです。
刀を持つ人を相手にどういなすかなど、様々な手を習います。
何度も稽古に参加している方は個別に別の手を習うので、各人のレベルに合わせた指導をされます。
こちらの何年も前からスペインよりいらしているホセさんは、伴家忍之傳研修所のスペイン支部長のお方。
最初からみなさんとは別メニューで、ひたすら高度な技をたくさん叩き込まれていました。
スペイン支部がいつのまにかできていたなんて、ビックリでしたね!
そして自分も参加する羽目に・・・
稽古が9時ごろから始まって、1時間ごとに少し休憩があるのですが、その間に習ったことを書き留めておかないとすぐ忘れてしまいます。
みなさん一生懸命書き記してますね!
こちらのアルゼンチンの方たちは「疲れたよ・・・」と休息に専念していました。
確かに結構ハードな動きをしますし、何度も転んでは立ち上がってとの繰り返し。
自分は写真撮影に専念をしていたのですが、この休憩が終わった後に事件が起きます。
ヘイ、そこの忍者!
え?僕ですか?
オマエは実際に稽古はしないのかい?
写真撮ってるだけじゃ忍者になれないぜ!
いや、僕は忍者ジャーナリストなので取材の仕事があるんだよ。
ごちゃごちゃ言ってないでこっちこいよ!
カメラ置いて一緒に修行するぜ!
さあ、早く!
となんだか無理やりですが、一緒に修行することになってしまいました…!
その様子は写真では撮れなかったのですが、このとき行ったのは「思いっきり叩き合う」という稽古。
痛みに身体を慣れさせる稽古なのですが、よりによってこの人、すごく力が強くてめちゃめちゃ痛い…!
武術は痛いのであまり好きではなかったのですが、こうやって一生懸命稽古していると言葉が通じなくても相手となんか通じ合ってる気がしてきて、段々と楽しくなってきます。
この人はその後、ことあるごとに自分を指名してきてコテンパンにやられましたが、「そこはそうじゃない。こうやるといいよ」といろいろアドバイスをくれてかなり優しかったです。
初日終了!武術は「やらないとわからない」
段々と日も暮れてきました。
通訳中のフョードルさんの背中にはトンボが止まっちゃうくらいの夕暮れがいい感じです。
最後は並んで礼をして、昼間の稽古はこれにて終了!
取材は1日目の昼間だけだったので、自分はこの後失礼させていただきましたが、1日目だけでも非常に濃い内容でした。
やはり思ったのは、武術というのは見るだけでなく稽古を実際にやらないと何もわからないということ。
大半は写真撮影でしたが、無理やり呼ばれて実際にやってみた技の方がやっぱり身体で覚えているものなのです。
でもそれは型を知っただけで、本当に重要なのは、その後も自分で稽古を重ねて無意識にでもその技を繰り出せるようになるまで身体に染み込ませることだと清本先生もおっしゃっていました。
頭で考えているうちは、とっさになにか起こったときに対応することができません。
やはり日々稽古していくことが、忍者にとって大変重要なことなのでしょう。
今回は1日しか参加できませんでしたが、来年はなんとかして1週間すべて参加し、稽古も重ねていきたいと強く思うようになりました。
実は一般参加可能!来年は合宿に参加しよう!
伴家忍之傳研修所の合宿ですが、限られた人しか参加できないと思いきや、実は一般参加が可能です。
今回取材できなかった日のお写真を清本先生にいただきましたが、火術や塀を越える術、そして水練や鎖鎌の稽古なんかもあり、忍者ならではの術がオンパレードでだったようです。
しかも、なんとあの川上仁一先生もいらっしゃって稽古をつけてくださったとのこと!
こんな貴重な機会、本当にそうそうあるものではありません。
ちなみに日常的に会合や稽古会などを行う甲賀伴黨の直門が主催する「甲賀伴黨一門會」という会もあります。
こちらも20年振りに新規会員の募集を行っていて、一般会員も広く募集を開始したとのことです!
参加してみたい方がいらっしゃったら、お繋ぎしますのでNinjackのお問い合わせフォームからお問い合わせください。
対象:本会の目的にご賛同いただける方
※本会の活動には伝統的武術の保存・継承が含まれているため、既に伝統的武術流派、団体等または、それらに準ずる組織に所属する方はその代表者または師範の推薦状、または同意書が必要です。
募集:随時
年会費:5,000円
連絡先:Ninjack問合せフォームより
世界各地で活躍する諸将の皆様へ、Ninjack.jpを通じて各地の忍者情報を密告する編集忍者。忍者に関することであれば何でも取材に馳せ参じ、すべての忍者をJackすべく忍んでいる。