荻窪に忍者はいたか論争に終止符?「荻窪忍者暗渠ナイト」潜入レポート!
荻窪に忍者いたかいないか論争が勃発!?
荻窪に忍者はいたか?
なんというか非常に限定的でマニアックな問題提起ですが、半年ほど前の1件のこんなTweetから注目されはじめた本件。
このツイート主は暗渠業界では大変有名な吉村生さん。 その後も荻窪に忍者いたんじゃないか説について、様々な証拠を提示しながら間髪入れずにつぶやいていきます。先日、忍者の人たちと話していたときに、「荻窪に服部半蔵が住んでいたらしい」と言ったところ、んなわきゃないと一刀両断された。杉並の郷土史だけ見てると、荻窪に忍者というのは有名な話かと思っていたけど、怪しさ満点なのだろうか?とりあえず、手元の資料の情報だけ、書いてみる。
— nama (@nama_kaeru) 2018年3月13日

— 窪があったら入りたいってさすが天才…笑んなわきゃない…と一笑に付した私が無知でした。 荻窪は伊賀の服部半蔵の知行地であったというのは割と普通に何処にでも載っているようです。 何という無知であったか。窪があったら入りたい。 これからは荻窪忍者、杉並忍者を推していきたい😚 https://t.co/uE5hqPqXRN
— 大地丙太郎 (@akitaroh) 2018年3月14日
そしてこれを見た江戸の伊賀者に詳しい忍者研究家・忍びの館の管理忍さんまで調査に乗り出すという始末!
— 荻窪の忍者を巡って激しいムーブメントが…なんなんだこの流れは!笑【更新情報】「荻窪に住んだ伊賀者の謎」 先日Twitter上でちょっと話題(?)となった、東京の荻窪に伊賀者が住んだ説について調査してみました。伊賀者と荻窪に関係はあったのか…?絶対無いと思っていたら、ちょっと意外な展開になりました。https://t.co/BWdN207sRm
— 忍びの館 (@ninja_yakata) 2018年4月9日
と見守っていたところ、どうやらこの説に決着をつけてやろうということで、2018年8月11日(土)に「荻窪暗渠忍者ナイト」なる催しが行われたのです。 — なぜ暗渠…
こんなカオスなイベント、行かないわけには行きません。 ということで荻窪忍者暗渠ナイトに潜入して、その結末を見守って参りましたのでレポートしたいと思います!
そもそも暗渠ってナニ!?(高山英男)





暗渠と忍者(吉村生)



伊賀忍者がいた地域には暗渠がある = 暗渠がある所には伊賀忍者がいる
というロジックを前提としながら荻窪に目を移した時、そこには善福寺川という川が存在するではありませんか…!

古老に聞く荻窪忍者伝説(野田栄一)


とにかく「郷土史家はロマンを感じてナンボなんだ!忍者がいたという夢を見させてくれ!」と一貫する野田さんのロマンあふれるトークが大好きでした!

忍者否定の悪役が現る…(駒見敬祐)





という空気が蔓延してきました…。

忍者研究的にはどっちなのか!?(井上直哉)




ここで会場もすごく盛り上がりました! ・・・が! 井上さんが言うには、伊賀出身の伊賀者が連名で書いたはずの由緒書の中には「鵜飼」の字が1つも出てこないのだそうです。 伊賀出身であれば絶対書いてあるはずなのに、書いていないのはおかしいので、伊賀出身ではなくもしかしたら役職名で途中から伊賀者になった方のタイプだったかもしれないとのこと。 会場からは残念無念のため息が響き渡りました。 結論としては、荻窪が(伊賀出身かどうかは別として)伊賀者の知行地であったことは間違いないが、住んでいたかどうかはやっぱりわからない、ということになりそうです。

荻窪に忍者はいたかの講評(大地丙太郎)

[wp-svg-icons icon=”point-down” wrap=”i”]大地監督のインタビューはこちら [blogcard url='http://ninjack.jp/ninterview-030_1/' width='' height='' class='' style='']
伊賀者の知行地と聞くと「忍者がうじゃうじゃ住んでいた」という錯覚を起こしがちであったが、みなさんのお話で必ずしもそうではないというのがすごく良くわかったのと、服部半蔵が荻窪いなかったのは納得したので諦めます、と大地監督。 歴史の掘り下げとロマンの探求のバランスがとてもよく大変楽しい会でしたね、と会を締めくくりました。 そしてラストにクロージングとしてカワイイ荻窪忍者のアニメーションをご用意してくださいました!ということで一旦は終了したこの会でしたが、個人的には「知行地として与えられた土地に絶対に住んでなかった」とは言い切れないのではないかなぁと思ったり、でもそれを証明する史料はなさそうだなと思ったり。 少しの期間だけでも伊賀者が住んでいたりする可能性もあるのではないか…という忍者ロマンに浸りながら、まったく縁もゆかりもない荻窪を後にしました。 暗渠と忍者と荻窪。 こんなにもかけ離れた3つの要素が一度に集まり、様々な化学反応を起こした大変素敵な夜でした。 また別の地域でも忍者暗渠ナイトはやってほしいですね! なんだか暗渠が気になってきた方は、吉村さんと高山さんの共著「暗渠マニアック」がオススメです! [su_box title=”関連リンク・参考文献” style=”noise”][wp-svg-icons icon=”book” wrap=”i”] 暗渠マニアック(吉村生×高山英男) [wp-svg-icons icon=”link” wrap=”i”] 杉並区立郷土博物館 [wp-svg-icons icon=”link” wrap=”i”] 忍びの館(※8/13時点HPメンテナンス中) [/su_box]]]>終わったのでクロージングアニメ☆ 荻窪に忍者がいたとしたらこんなかな? pic.twitter.com/P1pKinkLUz
— 大地丙太郎 (@akitaroh) 2018年8月11日