忍者に関する情報を得る人のために運営している忍者情報サイト「Ninjack」をいつもご覧いただきありがとうございます。
忍者情報サイトってだけで結構珍しがられるのですが、確かに特定の忍者団体が運営しているサイトや忍者個人のブログを除くと、僕の知る限りでは以下の3つくらいしか忍者サイトは存在しません。
・日本忍者協議会公式サイト
・忍びの館
・Ninjack
日本忍者協議会はほとんどがSNSメインでの更新ですので、WEBサイトとしての更新を続けているのは「忍びの館」とNinjackくらいでしょうか。なんとなく忍者が盛り上がっているような錯覚を感じますが、まだまだWEB業界における忍者の地位は低そうです。
しかし…今から遡ること10年以上前。Yahoo! JAPANの「カテゴリ検索」からの検索がメインだった時代。
実は数多くの忍者サイトが乱立していた「忍者サイト戦国時代」だったことをご存知でしょうか。
本日はNinjackの先輩達ともいえる、今はすでになくなってしまった忍者サイト達をアーカイブから引っ張ってきて、ご紹介いたします!
WebRing「忍者同盟結界」ってのがあってだな…
その昔、インターネットの世界には「Web Ring(ウェブリング)」と呼ばれるリンク機能があったのをご存知でしょうか。今はほとんど姿を見せませんが、特定のテーマにあったウェブサイトが集まるリンク集バナーみたいなもので、今見ているページと同じテーマのサイトへと、このバナーからどんどん旅立つことができるんです。
そしてもちろん「忍者」に関するウェブリングも存在していて、結構な忍者サイトが登録されていました。
そのウェブリングとは「忍者同盟『結界』」。
これよく使ってたけど、今思えばなんて閉鎖的なネーミングなんだ!
こんな感じであらゆる忍者サイトへ飛ぶことができて、今見てみたところ16サイトほど登録されていたようです。
今はもはや運営されていないサイトばかりですが、ここに残されていたサイトを「wayback machine」というもう死んでしまったウェブサイトの墓場(スクリーンショットでアーカイブしているサービス)から掘り起こして来ようと思います!
1. 忍びの砦
1999年から運営を開始していた忍者サイトの元祖ともいうべき「忍びの砦」。
今はもう運営されていませんが、伊賀越え探訪記や全日本忍者選手権の写真付レポなど、なかなか充実しております。
当時にしてはすごい情報量とすごいレイアウトだ!アクセスカウンターとか懐かしい!
その当時はネット上のコミュニケーションはBBS(掲示板)が主流でしたが、忍びの砦の掲示板「忍び小屋」が活発でした。各種CGIツールを無料で提供してくれていたteacup、懐かしいですね。そしてなんとその忍び小屋がまだ残っているようで過去ログも含め眺めていたら・・・
なんと地味に復活していました!
ってか「www.ne.jp」ってドメイン見たことないけどなんか最強すぎる…
あまり更新はされていないようですが、3年前に確かに復活し、今も残っているようです。昔の忍者イベントの様子などが見れますので、ぜひ覗いてください!
いつかこの服部笠之助さんにお会いして、忍者サイトの編集会議とかやってみたいです!
2. 忍者博覧会
そしてこちらは2000年から運営を開始していた、忍者の解説やおもしろゲームなどが満載の「忍者博覧会」。
その他にもグッズや書籍、そして「伊賀の影丸」さんの史跡スポットがまた詳しくて最高です。
この時は普通に顔出ししている忍者サイトの人多かったなぁ。
この忍者サイトが特徴的なのは、過去・現在・未来に分けて各種の忍者の事象を紹介していること。たぶん影丸さんも、過去から未来に至るまで、忍者を全部ジャックしようとされていたのでしょう。
お気持ちわかります…!ぜひまた復活してください…!
3. 忍者の里
背景が黒くてダークなイメージの忍者情報サイトの中で、なかなかPOPだったのが「忍びの里」さん。
こちらはなんと1998年からですから、20年近く前に存在していた忍者サイトということになります!
大先輩…!なぜ引退してしまったのですか…!
この奥に入ると、忍者グッズや書籍の紹介や忍び装束の作り方などを公開していました。
そしてなんとお問い合わせのリンクは「矢文を送る」になっているではありませんか!
今も昔もだいたい考えることは同じなんですね、先輩!
今、このサイトの運営者であった海平先輩は一体何をされているのでしょうか。ぜひNin-terviewでお話をお伺いしてみたいものです。
4. 忍びの館
そして誰よりも尊敬する忍者サイトといえば「忍びの館」さんですね。
かれこれ約15年ほども一度もサイトを閉じることなく、運営し続けて今でも忍者研究本の紹介をされています。最近はTwitterでも為になる忍者の本格研究情報を告知してくださるので、本当に重宝しています。
まだまだ続いているのですが、リニューアル前の懐かしいデザインを見つけたのでご紹介してみました。
矢羽の家紋が背景にあるあたりが本格派っすよね!
そしてなんと「忍者立札」という名のBBSもまだ生きていました!
管理忍さんが宿題でいじられている…!これ良く見てたなぁ。
高校生くらいのときにこのBBSで見た「万川集海の復刻版現代語訳」を願ってポチったのに、いつのまにか中島先生が現代語訳を出されたのもいい思い出です。
5. 忍者研究館
そして、僕が一番尊敬する忍びの館の管理忍さんが、一番尊敬していた「忍者研究館」。
自分はこのサイト知らなかったのですが、「忍びの館」は「忍びの砦」と、この「忍者研究館」をくっつけたネーミングだったらしいです。
今はもう閉じられてしまっていますが、伊賀忍者について研究された内容がものすごく豊富に載っていました。
一体誰が運営していたんだろう…
と墓場の奥まで行ってみると「特定非営利活動法人 平成・伊賀@LAN」とありました。そして執筆主幹として付いていたのは伊賀上忍というハンドルネームをお持ちの方です。
伊賀上忍ってもしかして…
そうです、あの伊賀忍者研究会の会長として、「忍者の教科書」も出版されたあの人がやられていたんですね。
いやぁ、さすが上忍は歴史が違いますね!
古の忍者サイトは古文書のよう!
10年以上前に一世を風靡した忍者サイトをご紹介させていただきましたが、これらのアーカイブを見ていると
10年前って伊賀流忍者博物館の阿修羅小屋は屋根がなかったんだ!
10年前にそんな忍者イベントがあったのかー。行きたかったなぁ…
などと、今ではわからなかった忍者にまつわる記録がたくさん保存されています。
現在は忍者について古文書の記述から戦国時代や江戸時代をリサーチする動きが盛んですが、ほんの10年前でも忍者に関する歴史というのは絶えず刻まれていて、それは今となっては何があったかみんなわからないんですよね。
デジタルな時代になり、忍者サイトの運営者は日々少なくなって行きますが、やっぱりどんなことであれ、忍者についての今の記録を残すという作業も、将来の忍者を考える上では大変重要なことだと思います。
Ninjackはある種、現代における忍者の記録を綴る唯一無二の古文書的な媒体にならねばならないのではないだろうか…!
と変な使命感まで湧いてまいりました!
30年後にこのサイトを見た人が、「当時はこんなに忍者が盛り上がっていたのか!」と楽しんでくれるといいですね。ぜひ何十年とこのサイトを続けていきたいと思った、忍者界の太田牛一ことNinjack編集忍でした!
いつかこれらの忍者サイト運営されていた先輩達にもOB訪問してNin-terviewしたいです!
世界各地で活躍する諸将の皆様へ、Ninjack.jpを通じて各地の忍者情報を密告する編集忍者。忍者に関することであれば何でも取材に馳せ参じ、すべての忍者をJackすべく忍んでいる。