以前から紹介しようと思っていた忍者マンガがあるのですが、先日発売された2巻がやっと読めたので、紹介したいと思います!
その名も週間少年サンデーにて連載中の大柿ロクロウ先生が描く幕末忍者マンガ「シノビノ!」です。
少年サンデー史上初の最長老が主人公で話題の「シノビノ」
忍者の活躍した世代といえば戦国時代を思い浮かべる人は多いと思いますが、シノビノの舞台はなんと幕末。戦国時代から250年後、最後の一人となった忍びに幕府から下された命令、それは黒船潜入&ペリー暗殺!
その忍びの名は、沢村甚三郎(58)という老齢の忍者であった!
すでに忘れ去られた「時代遅れの時代遅れ」が、史実に残る極秘任務に挑む痛快シノビ活劇となっております。
沢村甚三郎保祐が主人公のコミックが出ることになるとは…!
忍者マンガはだいたいが戦国時代が舞台なのですが、幕末が舞台でさらにこんなマイナーな忍者にスポットが当たるなんて思ってもみなかったので、発表当時は衝撃が走ったものです。
ここに目をつけた大柿先生と小学館の編集者、さすがすぎる・・・!
澤村甚三郎保祐とは?
シノビノの主人公である沢村甚三郎の名は、保祐(やすすけ)といいます。 実在した人物で、津藩の藤堂家に仕えた伊賀者でした。
史実としても黒船に潜入し、またはアメリカ側が招待してくれた歓迎会に参加して、黒船内にある文書やパン、煙草などを持ち帰ったとされています。
その際に持ち帰ったオランダ語の手紙や、準備していた携帯用の狼煙筒、水中松明などの忍器が今でも澤村家には残っているそうです。
上の写真は現存する澤村家屋敷なのですが、ここに甚三郎が住んでいたのでしょうね。 実際の漫画の中でも、同じ絵が使われており、これには感動しました!
彼の活躍を描いた作品は、いまのところ小説の「幕末スパイ戦争」での多田容子先生の短編しか知りませんが、こうしてサンデーで連載される忍者に取り上げられたことは大変感慨深いです!
幕末が舞台ゆえのユニークなキャラクター達が登場!
戦国忍者マンガではおなじみの戦国武将しか出てきませんが、このシノビノのいいところは幕末の英傑たちが物語を盛り上げてくれるところでしょう!
- 吉田松陰
- 藤堂平助
- 徒目付のくノ一
- ペリー提督
- 坂本竜馬
などなど、幕末の偉人や剣豪達がわんさか出てきます。忍者マンガで外国の敵と戦う描写なんてほぼほぼありませんでしたので、金髪ブロンド軍人なんかとの戦いは特に痺れますね!
でもやっぱり特に気になるのは徒目付のくノ一・かえでちゃんでしょう。
もっとかえでちゃんの出番増えないかな!
忍術書に出てくる忍器や忍者の心得がたくさん!
250年もの間、たった一人で戦国時代の忍びの精神や技を守って来た甚三郎。
その生き様は、まさに忍びそのものです。
久保先生も忍術書「万川集海」をベースの資料として描いていらっしゃるようですね。
忍具が出てくると、しっかりと名前とNo.を付けてどんな風に使用するのか解説してくれています。
これなら楽しく忍者の道具や忍術が学べるね!
これまでの忍者マンガとはちょっと違うけれど、しっかり戦国の忍者本来の姿を描く斬新な幕末忍者マンガ。
アクション描写も大変迫力あって楽しめますので、ぜひ本屋さんでお手にとってみてください!
世界各地で活躍する諸将の皆様へ、Ninjack.jpを通じて各地の忍者情報を密告する編集忍者。忍者に関することであれば何でも取材に馳せ参じ、すべての忍者をJackすべく忍んでいる。