長きに渡り肥前夢街道を支えてきた長門さん、なんと2017年1月に卒業してしまわれました。
卒業を直前に取材し、これまでの葉隠一族としての活躍の裏話、忍者にかける思いなどを語っていただきました。
葉隠一族にこんな忍者がいた、ということを記録に残したいと思います。
葉隠一族の長門さんのNin-terviewをご覧ください。
ひょんなことから葉隠一族に合流
お会いできて光栄です!長門さんは葉隠忍者になる前から忍者はお好きだったのでしょうか?
長門: 小さい頃から忍者は好きでした。情報収集とか本来の業務についてはほとんど知りませんでしたが、素早い動きや強いところに憧れていましたね。忍者=カッコいいという思いで、真似事なんかもやっていたと思います。
憧れの対象になった忍者作品などはあるのでしょうか?
長門: 忍たま乱太郎でしたね。土井先生に憧れておりました。忍たまはだいたいハチャメチャ劇なのですが、たまにみんなが団結して任務を成功させたりしますよね。そういったところが大好きでしたね。そのほかはタートルズなんかも好きです。レオナルドが一番ですね!
土井先生かっこいいですよね!その後どんな経緯で忍者として活動するようになったのですか?
長門: その後忍者のことは忘れてしまっており、普通の社会人になって約5年ほど働いていたのですが、ずっと芸能の仕事に興味があったのです。普通の仕事には就きましたが、やはり後悔はしたくない!と23歳の頃に福岡の芸能事務所に所属することになりました。その時、その事務所と肥前夢街道とがコラボして「葉隠一族」というユニットを立ち上げることとなったんです。
その時に葉隠一族に応募されたのですか?
長門: いえ、最初のオーディションの際は知らなくて受けていませんでした。あとで事務所から「こんなのやってるけど練習見てみる?」と言われ、練習を見に行ったんですね。その時殺陣の先生が「見ているだけじゃもったいないから君もやってみたら?」とお声がけいただきまして。その先生の一言がきっかけで葉隠一族に所属することになったんです。不思議な縁ですよね。
肥前夢街道の環境が自分を磨き上げてくれた
2010年に結成した当時、葉隠一族のメンバーは多かったですよね。どのような活動を中心にされていたのでしょうか。
長門: 当時は10人でしたね。その時はリーダーではなく、メンバーでした。外部からイベントの依頼があり、忍者ショーを見せつつ夢街道や嬉野市、佐賀県の良いところをPRする活動がメインでした。福岡空港での佐賀県フェアでの登壇など、行政からの依頼で佐賀県をPRする部隊という位置づけですね。
なるほど!ちなみに二代目リーダーにはどうして抜擢されたのでしょうか?
長門: 葉隠一族の活動が広がっていく中で、各地のイベントに参加できる人、できない人でばらつきが出てきたんです。誰か1人が行けないと歌も歌えなかったりと活動を回しづらくなったので、当時葉隠一族として本気でやる人間だけに絞ろうということが決められて、そこで残ったのが私を含む二代目葉隠一族の3人でした。その3人の中で一番年上だったのと、一期生が私だけだったので、リーダーになったのだと思います。
やはり稽古などは相当努力されたのでしょうか。
長門: 家に帰って3時間〜4時間は刀握って練習をしていましたね。なるべく鏡は見ないで練習していたのですが、しばらくしてから鏡で自分の振る舞いを確認してみたらすっごく汚くて…。今までこれでイベントに出ていたのかと思うとショックでした。そこからも懸命に稽古して、綺麗に見せられる型を訓練していきましたね。例えば抜刀を一つとってもそれまではその動作に意味がなかったんです。今ここで刀を抜くにはどんな意味があるのか。そう行った意味を求めて意識してやるようにしたら、自然と人に見せられる綺麗な流れになっていきました。ただただやっている感を抜け出すために必死でしたね。
そのようにレベルが上がっていく実感が得られたんですね。
長門: それはやはりこの肥前夢街道の環境があったからだと思います。イベントだと土日しかありませんが、肥前夢街道では年中、生でお客さんと接してショーを行っていたので、自分がしたことが目の前でお客様からフィードバックされるんです。そんな刺激的な環境が私を成長させてくれたのだと思います。立ち回りとしては失敗しても臨機応変に動ければお客様にとっては成功です。そんな機転を効かせる術も現場を重ねたことで学ばさせていただきました。
よく歌も歌っていらっしゃったと思いますが、やはりマイクの方もお得意で?
長門: いえ、歌の方は苦手でしてできればもうマイクは持ちたくないです(笑) 自分の声を人様に届けるのは緊張しますね。レコーディングでスタジオに行って録音したのですが、最近のマスタリング技術というのは素晴らしい!あんな自分の声がいい具合に修正されているのは助かりました(笑)
素の忍者長門を楽しんで欲しかった
歌もあれば殺陣もあればでお客様を楽しませてきたと思うのですが、お客様には何を届けたかったのでしょうか。
長門: いっぱいありすぎますね。忍者を好きになってもらいたいというのもあるし、エゴかもしれませんが自分が楽しんでいるところを見て欲しい。それでお客様も楽しんでいただければ自分のやってることは間違いじゃないのかなと思います。
お客様の反応は長門さんが一番いいと聞いたのですが、女性ファンの方も多いのではないでしょうか。
長門: 葉隠一族を引退してからはガクンと減りましたが、肥前夢街道では今でも継続して忍者活動はしているので、そこにも会いにきてくれるファンの方が一部いらっしゃいます。そういう方に支えられて存在していますので、本当にありがたいです。
忍者長門として心がけていることはありますか?
長門: 基本的には素の自分を出して日々活動していますね。嘘の自分を出しても絶対にいつかボロが出ますから。それでも喜んでくださるお客様もいて心底嬉しいです。
素の自分を出し過ぎてこれはやっちゃったな、というエピソードありますか?
長門: 私カメラが大好物なので、本当は頭目のポジションなのにそれを奪ったりしてしまうことなどは多いですね。あと、葉隠一族は原則「酒」「タバコ」「女」関連は一切禁止されていたんです。ですが昔Ustreamで個人配信もやっていたのですが、あまりにテンションが上がり過ぎてしまって、配信中にビールに手が伸びてしまって…その時のプロデューサーにはめちゃめちゃ怒られました(笑) 飲んでもいい年ではあるんですけど。
肥前夢街道には感謝してもしきれない
肥前夢街道を17年1月に卒業されるとのことですが、いまどんな心境でしょうか。
長門: 私がここまで成長できたのは、この肥前夢街道があったからです。私を育ててくれたみなさんには本当に感謝しています。もっとずっと続けていたいですが、他にもまだやりたいことがあり、ここまで育てていただいた上にまたわがままを聞いてもらうことになってしまいました。忍者長門として、またいつ呼んでもらえてもすぐ動けるように、日々稽古は怠らないようにしていきたいと思っています。
長門さんにとって忍者とはなんでしょうか?
長門: 月並みですが日本の文化です。忍者はスパイ活動だったり、命を捨てて戦場に駆り出されたりもあります。でも今は忍者という単語を聞いたときに素早い動きをするスーパーマンだったり、暗殺者だったりといろんなイメージを持たれていると思います。そこが忍者の良さであり、文化として確立している他にはない要素です。そんな幅広い忍者としての文化を絶やぬよう、私も一助になれればという思いはこれからも持っていきます。
ありがとうございます!では最後にNinjackをご覧の方にひとことお願いいたします。
長門: 忍者になりたくても恥ずかしい人もいると思います。でも少し勇気を出して忍者になってみてください。詳しく知らなくても忍者が好きなら、それだけで十分なんです。元祖忍者村・肥前夢街道には私を育ててくれた人たちが大勢いますので、忍者になりたい方はぜひ門を叩いてみてください!忍者がもっと増えることを願っています。
ありがとうございました!今後のご活躍もお祈りしております!
編集後記
長門さん、相当なイケメンなのでめちゃめちゃクールでむしろ少し嫌なヤツなんじゃないかって勝手に想像していましたが、実際にお会いしてみるとかなり丁寧で礼儀正しいお方でした。
時たま暴走することもありますが、河野さん曰く、夢街道の中でもかなりの人気者だったようです。
1/10で肥前夢街道は引退してしまいましたが、なんと3月に伊賀で開かれる伊賀流手裏剣打選手権大会本戦に最後の忍者活動として出陣されるとのこと!
長門さんの最後の勇姿を見に、伊賀に行きましょう!
世界各地で活躍する諸将の皆様へ、Ninjack.jpを通じて各地の忍者情報を密告する編集忍者。忍者に関することであれば何でも取材に馳せ参じ、すべての忍者をJackすべく忍んでいる。