忍者が札幌ドームの始球式で投げられる日を目指して 〜HOKKAIDO NINJA DO!「矢鎌」〜

昨年突如北海道の大地にオープンした「HOKKAIDO NINJA DO!」。

まだオープンから1年も経っておりませんが、北海道発の忍者体験施設ということもあり好調に運営されているようです。

新進気鋭の忍者体験施設がうまく行く理由はどこにあるのか。

今回はHOKKAIDO NINJA DO!の道場長である矢鎌さんにインタビューしてみました。

すべての忍者をJackするNinjackのインタビュー企画「Nin-terview」第41弾をお楽しみください。

兄にいきなり忍者やれと言われてはじめました

矢鎌さんこんにちは!

矢鎌: こんにちは!!!!ヤカマーーーーー!!!

て…テンション高いですね…。矢鎌さんはもともと忍者だったのですか?

矢鎌: いえ、私は即興でこしらえられた忍者ですね。急遽会社から「忍者事業やるよ」と言われてから、急ピッチでいろんな忍者の本を読んだり、日本各地の忍者道場や体験施設をまわって急いで準備したような感じです。

会社のイチ事業で始めたんですね…!すごい会社ですね。

矢鎌: 運営はMASSIVE SAPPOROという会社なのですが、もとは不動産系の会社だったんですね。札幌市内のシェアハウスや民泊をやったり、他にも茶道体験なんかもやっております。千歳には「カラオケレンタカー」といって全車アルファードにカラオケ設備を搭載してカラオケしながら北海道を渡るという事業などもやっています。

その一環で忍者事業を始めることになったようなのですが、実は社長が直系の兄でして、急に兄から「忍者について勉強しろ」と言われて、前の仕事も辞めて準備にとりかかりました。この後ろにある本は全て読みましたし、京都のNINJA DOJO and STOREさんや伊賀流忍者博物館や甲賀の忍者村、東京の忍者施設なんかもお邪魔させていただいたり、色々と勉強させていただきました。オープンにあたっては余市忍者衆の嵐嶄さんにも指導をいただき、今は合気道も自ら始めて武術としての忍者も探求しています。

カラオケレンタカー楽しそう…!矢鎌さんというのは本名なのですか?

矢鎌: 本名じゃないですよ、こんな本名だったら嫌ですよね(笑) 私自身、昔音楽をやってたんですよ。レゲエの歌い手だったのですが、その時私が流行らせたスラングがございまして。そのうちの一つが「ヤカマ」。「やかましい」という意味ですね。結構TwitterとかSNSで流行ったのですが、そこからあだ名になり「矢鎌」という字を当てました。

レゲエの歌い手…!?すっごく気になります…いつか忍者の歌とか作って欲しいです!

香港のリピーターを掴み外国人が60%に

なぜ忍者事業を始めようと思ったのでしょうか?

矢鎌: 社長の言葉そのまま受け売りですが、札幌自体が食や買い物、夜景などは充実しているのですが、体験・アクティビティが圧倒的に少なかったんですよね。夜もホテルで寝ているだけだったり。なので忍者体験が本格的にできるような施設があれば観光客の方にも喜んでいただけるのではないかと言うことで、屋敷にも結構な費用をかけて作りました。お陰様でインバウンドのお客様もたくさんいらしてくださり、今では外国人の方が60%ほどになります。

確かに昨日の夜一人で寂しくジンギスカン食うだけでしたよ!外国の方はどこの国の方が多いのでしょうか?

矢鎌: 一番多い国は香港でしょうか。中国の中でも本土の方よりは香港の方が多いです。なぜかといいますと、香港の方はもともと非常に北海道へのリピーターが多いんですよ。北海道5回目です、のような人がよくいらっしゃいます。東京、大阪や沖縄に行かずに北海道ばかりくる方が多いのです。千歳空港が近いので札幌で1白か2泊することになるのですが、札幌で何かないかとリサーチした方がいらしてくださっていますね。あとは韓国や台湾、シンガポールの方も多いです。フランスやカナダなど欧米の方もそこそこいらしていただいています。

リピーターがそんなに!お客様の反応はいかがですか?

矢鎌: 終わった後には非常に楽しかったと言って下さるお客様が多く、アンケートの方にも満足満足といった形で回答をしてくださる方が多いですね。やっぱり手裏剣・吹き矢が人気ですが、刀などもなかなか握る機会がないのか大変楽しんでいかれています。

施設の不利を逆手にとってVRが誕生

拙者が見るには他の道場との違いで送迎時のVRとアスレチック的施設が楽しいと思いましたが、そこはいかがでしょうか?

矢鎌: 手裏剣などだけだと他の道場さん達と一緒になってしまうので、ウチでしかできない形でVRや城壁登り、宝探しや謎解きなんかも入れています。今度VRは第2弾を制作中です。最初はただ目隠しして場所を明かさないだけにしようかと思ったんですが、それだけじゃ面白くないなと思って突貫でVRを作りました。実は、この道場の場所的に駐車場とかがないので看板を構えて自由に来てください、という形ができなくて…。そこを逆手にとって移動すらも楽しんでもらおうと工夫したものです。

なるほど発想の勝利ですね!国内の方はみなさん道内からいらっしゃるのでしょうか。

矢鎌: なぜか東京とか横浜から来て忍者体験される方が結構いますね、何故かわかりませんが(笑) あとはやはり道内のお子さんです。忍者体験に魅力を感じていらしてくださっているのだと思います。

それもまたすごいですねw 体験を通して何を伝えたいと思いながらされているのでしょうか。

矢鎌: そうですね正心だったり、向上心であったり、精神的な部分を丁寧に説明するようにしています。外国の方には最初に忍者のイメージを聞くのですが、スパイだったり暗殺者だったりというイメージが多いようです。暗殺はもちろんやったと思いますが、情報を入手したり、戦の時に先陣を切って飛び込む勇敢な存在であったりと正しいイメージや日本の和の心をうまく説明できたらと思っています。

矢鎌さんの今後の展望などはありますか?

矢鎌: はい、ひとつは地域ともっと連携して地元を盛り上げていくことですね。忍者オリンピックみたいな新しい忍者のイベントのような競技なんかをやってみたいです。もうひとつは「ヤカマくん」をもっと広めて人気者にして、いずれ札幌ドームで始球式をやりたいです(笑) 自分野球をやっていたので「おぉ、結構いい球投げんじゃん」みたいな小さい歓声が欲しいというのが密かな野望です(笑)

それは面白そうですねw アニメ化目指してヤカマくんをNinjackでも積極的に推していきたいと思いますw

矢鎌にとっての忍者

矢鎌さんにとっての忍者とはなんでしょうか?

矢鎌: リアルな忍者は日本にはほぼいないと思うのですが、忍者は非常に自由さがあるものだと思っています。エンタメとして活用するのも忍者ですし、日本の大事な精神を伝えるのも忍者だと思います。忍者だからこうじゃないといけないというのではないのかなと。忍者不足ともいいますしね(笑)

最後に読者にひとことお願いいたします!

矢鎌: (思いっきり息を吸い込んで・・・)

ヤカマーーー!!!!!!

・・・すいません、だいぶやかましい感じでしたがなんですかそれw

矢鎌: あ、私の口癖というか決め台詞的なものなのですが・・・

ちょっと読者に伝わりづらいかなと…何かメッセージをお願いしますw

矢鎌: 失礼しました!!!では気を取り直して、HOKKAIDO NINJA DO!は唯一無二の忍者体験施設スタイルとして元気に運営しております!北海道にお越しの際はぜひとも遊びにきてください!!・・・ヤカマーーー!!!!

ありがとうございました!ヤカマーーー!!!

編集後記

非常に気さくで元気な道場長の矢鎌さん。一緒にいるこっちが楽しくなるようなお人柄でした。

まだ忍者を初めて数ヶ月だというのに、体験では非常にしっかりと解説や指導をされています。

今年の甲賀流忍者検定の初級も取得され、バックヤードにもたくさん忍者の本が並んでいて、相当忍者について勉強されたんだろうなと思うと、とても応援したくなってしまいました。

そしてそして!

なんと矢鎌さんが取材の後にレゲエ風の忍者ソングを作ってくださいました!!

カッコいいし、忍術や忍者達がいっぱい出てくるし、時たま少しクスっと笑ってしまう楽曲「忍び」。

11月22日(いいニンニンの日)にiTunesから配信されますので、ぜひともお買い求めください!

フィーチャリングしているのは、昨年ジャマイカのテレビ番組でくノ一の衣装でマイクバトルで決勝まで上り詰めたRANKIN PUMPKINさん。

ジャマイカでは安室ちゃん並の人気を誇っているようですよ!

歌詞の中に出てくるジャマイカニンジャマも、ジャマイカで人気Deejay(歌い手)だそうで、ジャマイカには忍者が来てるんですね。

ぜひともノリノリで聞いちゃってください!

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