150点もの文書から読み解く、江戸時代前期から幕末にいたるまでの忍びの実像。
世界中で感心が高い「忍者」を活用した観光事業に取り組むなかで、2016年に甲賀市が発足した「甲賀流忍者調査団 ニンジャファインダーズ」の調査報告書の第一弾。
江戸時代に尾張藩に勤めた甲賀忍者の末裔、渡辺氏の家に残る150点以上もの古文書の翻刻が掲載されている。それらの文書のほとんどは江戸時代に書かれたもので、忍術の他にも兵法・家系・信仰など分類は多岐にわたる。
文書類には、「自分達の秘密を外に漏らさない」「忍びの技(技術や製薬)の稽古をきちんと行い工夫する」など、代々の頭主が藩の主人と結んだ契約書も含まれており、忍びの家に生まれ育った者達が実在したことを明確に示す歴史的にも大変貴重な文書類である。
普段は地主の顔をして暮らしながら、実際には兵法や火薬の調合法についての文献を継承し、江戸期から幕末まで200年以上にわたって御忍役人として暮らした忍びの実像が読み解ける一冊。
タイトル | 渡辺俊経家文書―尾張藩甲賀者関係史料― |
編集 | 滋賀県甲賀市教育委員会 |
発行 | 滋賀県甲賀市 |
発行日 | 2017/3/31 |