かの楠木正成を祖とした流派の忍術伝書
『当流奪口忍之巻註(とうりゅうだっこうしのびのまきちゅう)』は、慶安四年(1651年)以降に成立したと思しき忍術伝書である。著者は不明。
序文によれば、当流とは南北朝時代の将、楠木正成を祖とする楠流であり、奪口とは楠流においての忍びの呼称であるとされている。内容は、「忍」という文字の意味、忍びとしての心得からはじまり、その後百条以上にもわたり、具体的な潜入・情報収集の術が記されている。
現在は、『忍者文芸研究読本』(笠間書院,2014)にて翻刻文が掲載されており、全文読むことができる。
歴史物や軍記物が好きな人なら一度は目にしたことのある名将、楠木正成の戦術を堪能でき、ワクワクできる忍術伝書。