〜前回までのあらすじ〜
信長に嘘の情報を伝えたヤスケ先輩。
それを信じて家康を待つ信長。
信長の命運尽きるまであと2日。
CASE STUDY
風の術を使って信長を本能寺に足止めしたヤスケ先輩。
一方信長は家康が来ると聞いてウキウキです。
ウキウキの気分のまま、息子の信忠や公家・僧などを呼び集めて茶会を開きました。
信忠の嫌な予感どおり、茶会の間の天井裏には静かにヤスケ先輩が潜んでいました。
信忠は天井に向けて槍を突き刺しました。
ヤスケ先輩はなぜ天井裏に隠れたのでしょうか。
忍者がまず隠れる場所
テレビや映画だと、よく忍者は天井裏に隠れますよね。
天井って登るの大変そうだし、他にもっといい隠れる場所あるんじゃないの?
って思いますが、これ忍術書には「初めて屋敷や家内に入った時に隠れる場所の事」として天井裏はオススメの場所として指定されているのです。
万川集海の記述によると、初めて屋敷や家内に入るときのオススメ隠れスポットは以下になります。
忍術書には過去の忍者たちの英知がぎっしりと詰まっていますから、天井裏は昔の人も多く隠れた場所だったんでしょうね。
万川集海にはさらにこんなことが書かれています。
「基本的には雪隱は少し遠慮した方がいいかもしれない」
雪隱とは「トイレ」のことで、その昔は汲み取り式のいわゆるボットン便所でした。
なぜ遠慮した方がいいのかは書かれていませんでしたが、見つかりやすいとかではなくて、やっぱり忍者もクサイものはクサイ!ということなんでしょうね。
後世の忍びのために「トイレに隠れると臭いからやめといた方がいいよ」という筆者の心遣いが感じられますね。
忍者はまずこれらの場所に隠れて夜まで待ち、夜中に仕事をしたのであります。
ヤスケ先輩も先輩たちにそう教えられて、いつものことのように天井裏へと侵入したのでしようね。
乱波者 天井裏に いる気配