忍者として「信長の忍び」は絶対に押さえておくべき作品です!

2008年から連載開始し、今もなお人気を誇るゆるふわくノ一と信長の天下統一までの道のりを描いた「信長の忍び」。

今年10月からは大地丙太郎が監督としてお届けするTVアニメも開始し、今大注目の作品であります。

伊賀の里のくノ一「千鳥」が溺れているところを信長に助けられ、信長の元で忍びとして活躍する4コマ漫画。

4コマの中でしっかりとオチをつけながらも、信長の辿った史実どおりにストーリーが進んでいくのがお見事と言わざるをえない出来なんです。

しかもその内容は、単純にギャグ漫画だと思いがちですが、実は忍者を志すみなさんにとってそれだけじゃない面白さがあります。

今回は忍者であれば押さえておきたい、信長の忍びを読んだり見ておいたりすべきポイントをご紹介いたします。

忍び漫画ではなく忍者から見た戦国時代マンガ

※「信長の忍び」コミックス1巻より

「信長の忍び」は忍者漫画ではなく、忍者から見た戦国漫画です。

現代の忍者の方は歴史が苦手な方も多いと思いますが、忍者というのは時代の大きな流れを影で動かす重要な役割

新しい世の中を作るのは武将たちなのですが、その元で抜群の忍び働きをするには、時代の流れを捉えておくこと、そして時代を動かしたキーパーソンを押さえておくことが重要です。

忍者の視点で見る戦国時代。

その時代は多くの人の正義がぶつかり合い、時に経済的・技術的なイノベーションもあれば、時に残酷な宿命に巻き込まれる者も多く出てきます。

ギャグ漫画では敬遠しがちな人の命のやりとりなど、シリアスな部分には目を背けることなく、ちゃんと描かれているんですよね。

千鳥が出会う戦国の男・女たちの生き様には何度も涙すること間違いなしです。

忍びは主君や他の仲間のために、自分の腕や知識を使って世の中を良くするための存在だとしたら、戦国時代の人々がどんな想いで生きていたのかを知ることは、忍びとしてその人のために何ができるのかを考えるために必須なことだと思います。

戦国時代という激動の時代を、コミカルに、かつ真剣に描いている本作は、忍者として時代の中でどう生きていけば良いのかのヒントを教えてくれることでしょう。

でもベースがギャグなので大変読みやすいですよ!

ニヤリとしてしまう武将エピソードが満載

歴史上の人物というのは面白いもので、史実でも様々な人となりを表すエピソードが残っています。

「ルイス・フロイスから金平糖をもらってすごく喜んだ」とされる史実から信長は大変な甘党に描かれていますし、信長公記の著者・太田牛一がキャラクターとして出てくるなど、信長にまつわる人々がところ狭しと出現する本作。

・運だけでのし上がっている豊臣秀吉
・子煩悩すぎる浅井長政
・うざすぎる足利将軍
・不思議ちゃんの帰蝶
・吐血しまくる竹中半兵衛

などなど、その登場人物の個性をめちゃめちゃデフォルメして描かれるので、すっごくキャラが濃くて人となりがわかりやすいんです。

史実でも残っているエピソードは必ずと言っていいほど織り込んでくれるので、知っている人はみなニヤリとしてしまうことでしょう。

ふんだんに出てくる忍術の数々

そしてもちろん、忍術の類も多く出てきます。

でもそれは火を吹いたりするものではなくて、現存する忍術書にも描かれている忍術ですね。

史実を柱にしたストーリーの中で使われれる忍術なので、その術がどういう状況に使われたのかなどが大変わかりやすくなっています。

その場その場に応じて最適な術を選ばねばならない忍者としては、勉強になること請け合いではないでしょうか。

忍者ファン必見の忍者キャラクター

忍者にとって特に嬉しいのは、実在した忍者たちがそれぞれの立場から多く出てきてくれるところですね。

杉谷善住坊なんてあんまり描かれない忍者だと思いますが、「信長の忍び」としては絶対必要なキャラクターです。

そもそも信長は忍び嫌いと呼ばれていた節があったので、信長の元で活躍する忍びのお話自体が珍しいんですよね。

自分の大好きな望月千代女も出てきます!

注目して欲しいのは、あらゆる立場の下に忍びという存在がいて、それぞれの正義の元で忍びは活動していたということ。

どちらが良い・悪いではなくて、それぞれが正しい心を持って自分の信じる道や主君のために自己のスキルをふんだんに使っていくんですよね。

白熱する忍者同士の戦いシーンも多く登場しますので、必見ですよ!

忍びの存在意義に真正面から応えてくれる

僕が忍者としての存在意義を知る上で一番好きなシーンがコミックス4巻にあります。

金ヶ崎の退き口で刀を折られた千鳥が、刀匠・関兼定に新しい刀を打って欲しいと頼みに行くシーン。

この答えが実に忍びらしい答えなんです。 その他にもアニメでは出てきましたが、信長が「俺のために死ね!」と言ったときに

忍びは生き抜いて情報を持ち帰るのでムリ

と答えたシーンなど、忍びとしての本分を千鳥が過分に答えてくれるのです。

武将たちの中で忍者はどのような役割を持っていて、どのような精神で生きていくべきだったのか。

そんな答えが信長の忍びには表されているものと思えます。

忍びだからこその辛さに涙する

信長包囲網を敷かれた絶体絶命の織田軍が活路を見出すために行った「比叡山の焼き討ち」

ここでも千鳥は信長の手足となって獅子奮迅の活躍を見せます。

ですが女子供に至るまで殺さねばならなかった過酷な状況。

やはり忍びといえども人間であり、その精神的代償は大きかったはずです。

そんな忍びの内面が、これでもかというくらいに丁寧に描かれています。

基本的にはギャグが多いのですが、このようなシリアスな場面は泣けるし、とても考えさせられます。

忍者を志す上で「自分のやっていることが正しいのか」は常に自問自答しながら任務をこなしていかねばなりません。

自己の所業とそれに伴う精神の持ち方について、大変考えさせられます。

そして原作版で一番気になるのが、この後訪れるであろう「天正伊賀の乱」の描写。

ストーリーの初期に千鳥が伊賀の里を抜けた際に、伊賀者とは敵味方になる可能性についての伏線が張られていますが、確実に忍びの宿命に悩むこと間違いなしです。

果たしでどのような描かれ方をするのでしょうか。

涙なしで見られる自信がありません。。

放送中のアニメ版はテンポが最高!

10月より東京と愛知のみで放送されている「信長の忍び」アニメ版。

ショートアニメで5分ほどしかないのですが、原作のイメージそのままのテンポがすごく良すぎて、大変気持ちの良いアニメとなっています。

ギャグでコミカルなところは軽快に魅せ、感動する場面は何か心に残してくれる出来は、まさに妙技と言わざるをえないでしょう。

音楽の予算を半分以上突っ込んだと言われるBGMも、大河ドラマ並みのクオリティで作品を際立てています。

0話は無料で公開されていますので、ぜひご覧になってみてください。

信長の「あ、すげ」とかテンポあるツッコミとか、文句のつけようがないですよね!

この0話を見ただけでワクワクしてくると思います。

その後のお話もおもしろいですよ!

原作からは一部編集が入っていますが、一番いい要素がピックアップされています。

プロデューサーの方のインタビューは製作の裏側が垣間見れる大変見ものな記事ですので、ご紹介しておきますね。

まずはアニメをご覧いただき、ハマったら原作を読んでみましょう!

そして
・戦国時代とはどういう時代だったのか
・どんな人々がどんな想いで生きていたのか
・その中で忍者はどう生きねばならなかったのか
を感じ、今後の任務にも生かしてみてください。

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