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【Nin-terview #019】県をあげて忍者を推していく 〜愛知県庁 忍者隊担当「安達智志」〜

【Nin-terview #019】県をあげて忍者を推していく 〜愛知県庁 忍者隊担当「安達智志」〜




徳川家康と服部半蔵忍者隊の特別連載最終回は、服部半蔵忍者隊を結成当時から支えてきた愛知県職員の安達智志さん。

愛知県の観光PRのために忍者を起用した経緯や、世間を騒がせた忍者募集企画の裏側などお伺いしました!

忍者隊は失敗できないプロジェクト

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Ninjack編集忍

よろしくお願いいたします!安達さんは結成の頃から忍者隊担当だったのですよね。忍者隊を結成した経緯は何だったのでしょうか。

安達 そうですね。忍者隊の前は技能五輪の担当をしておりまして、15年の1月から異動となり武将観光の担当になりました。愛知県は2015年を「あいち観光元年」と宣言し、観光を製造業に続く新たな戦略産業と位置付け、豊かな自然・歴史・文化や発達した交通網を生かした観光戦略を練り上げることにしました。同時に2015年は徳川家康公没後四百年ということもあり、岡崎市・豊田市などが徳川家康公顕彰四百年記念事業として、家康公の偉大な功績を日本全国や世界に発信しました。徳川家康公については、「御生涯艱難の第一」として神君伊賀超え(1582年)と徳川実記に記しており、この艱難については、服部半蔵を中心とした伊賀衆の協力により乗り切り無事に生き延びた後、天下統一を果たしております。その服部半蔵は、三河国岡崎で徳川家康と同年に生誕。また幼年時代、大樹寺(岡崎市)に預けられているなど、愛知県とのつながりは実は深いものがあります。

愛知県としても、徳川家康を支えた伊賀忍者を打ち出すことで、武将観光の新たなコンテンツとして、国内外に向けて「武将のふるさと愛知」を強く発信するために、徳川家康と服部半蔵忍者隊を結成することになりました。

Ninjack編集忍

ネーミング、「徳川家康」を先頭に持ってきているのは何か意図があるのですか?

安達 最初企画段階では「服部半蔵忍者隊」だけだったんですよね。それで進んでいたのですが、夜の22時半に知事に呼び出されて「『徳川家康と』が入っていない!」とお叱りを受けまして…愛知としてはやはり岡崎にいた家康があってこそなんですよね。翌日記者発表があったのですが、印刷をお願いしていた画像などは全て差し替え対応。一人で夜遅くまで対応しておりました。それだけ知事も思い入れの強いプロジェクトですね。なので絶対に失敗できないのです(笑)

Ninjack編集忍

うわぁ大変ですね…。初代の忍者隊を結成されてからの手応えはいかがでしたか?

安達 当初は忍者にゆかりのない愛知県がなぜ忍者のコンテンツに取り組むのかといった声がある中ではありましたが「愛知県=武将のふるさと」というメッセージを忍者隊として強く発信してくれたので、徐々に愛知の忍者隊としての認知度を高めてくれた存在でした。オーディションから活動開始まで1ヶ月程度しかなかったのですが、メンバー全員が短い期間の中ですごく頑張ってくれて、愛知にも忍者ありと根付かせたことは素直にすごいと思いました。伊賀や甲賀などの忍者がある中でも、おもてなしPR隊としての忍者はなかなかなかったので、新しい忍者像を打ち出せたのは本当にみなさんのおかげだと思っています。

Ninjack編集忍

手応えはあった中、なぜ2代目を募集することになったのでしょうか?

安達 初代のメンバーは観光PRイベントが開催される際に集まり、ステージ演武やおもてなしなどを通じて愛知の観光PRをしておりましたが、新年度からは名古屋城セントレアを拠点として、毎日愛知の観光PRをすることに決まったのです。となると雇用条件に変更が生じざるを得ず、改めてメンバーを募集することになりました。パートタイム忍者からフルタイム忍者になった形になりますね。

Ninjack編集忍

ちなみに1代目のメンバーは何をしているのですか?

安達 一人は忍者やってますよ!他のみなさんは役者などで活躍されていますね。

金の忍者にノリノリだった大村知事

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Ninjack編集忍

あの大村知事の「金の忍者」は相当バズリましたが、どういう狙いだったのですか?

omura

安達 「愛知と言えば忍者隊」という認識を高め、愛知県の観光キャラクターを将来的には愛知県民キャラクターとして認知度を高めたい。またインバウンドを意識した取り組みにもっと力を入れるため、とにかくキラッキラの忍者を探したい。そのためには、大村知事がキラッキラになって募集するのが一番効果的です。大村知事が過去にもコスプレサミットで様々なコスプレをした実績がありまして、今回はただ衣装を着たコスプレイヤーではない「忍者になっていただきたい」という想いを持った三晃社の青木さんが提案をしてくれました。

青木さんはひたすらこのような想いを語った後「ダメなら諦めます。愛知県さんが、しかも行政の人が知事をキンピカにするなんて無理ですよね。」とおっしゃいました。この青木さんの熱い想いを何とかして実現したいと思い、ダメで元々でしたが大村知事に相談したんです。

そうしたらすんなり了解でした。

Ninjack編集忍

すんなり…大村知事はノリノリだったのでしょうか?

安達 ノリノリでしたね。「忍ばない スターな忍者 探します」のフレーズも何案かある中からご自身で選ばれました。知事は忍者に対する関心が非常に高く、ご自身で様々なポーズを決めながら撮影が進みました。オーディションの募集をTVCMで告知したのですが、その頃愛知県ではお茶の間に知事の金の忍者が画面いっぱいに広がっていましたよ。

Ninjack編集忍

ぶはっ!見たかった….もうこれ考えた青木さんは天才だと思いました。

外国人だらけの忍者隊になるところだった

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Ninjack編集忍

結果としてオーディションはすごい数の応募だったんですよね。

安達 3月上旬から募集を開始しましたが、当初はマスコミ等の取り上げも少なかったのです。しかしその後、フランスのAFP通信社から問い合わせがあり、愛知県が面白い取り組みをしていると世界に発信していただきました。それを発端に様々な国・地域から問い合わせがありまして…。問合せ件数だけでいったら応募数の倍以上の問い合わせがあったと思います。もう海外からの問い合わせばかりで、迷惑メールなのかオーディションの応募なのかがわからないくらいでした。問い合わせ先は三晃社さんだったのですが、県庁宛だったら確実にブロックされてましたね(笑)もの凄い応募がありそうだったので、オーディション会場を探さないといけないなぁ、と考えてました。

Ninjack編集忍

応募としては日本人と外国人がどれくらいの比率だったのですか?

安達 235名の応募があり、そのうち200名が外国人の応募でした。アメリカ、ロシア、イタリアを始め40の国・地域からの応募がありました。最初はそもそも応募が来るかどうか心配だったのが、応募してくるのが外国人ばかりだったので、最悪日本人の応募がなければ「全員が外国人の忍者隊もおもしろいね」という話も出てましたね。今考えると絶対大変だったでしょうけどね(笑)

Ninjack編集忍

それはそれでまた議論を呼びそうですねw 最初からメンバーは7名の予定だったのでしょうか。

安達 当初は初代メンバーと同じ6名の予定だったんです。外国人の応募があまりにも多かったので、外国人枠を設けて7名構成に変更しました。

Ninjack編集忍

オーディションはどんな視点で選抜されていたのでしょうか?

安達 オーデイションの視点としては、やはり観光PR隊としての活動が中心となるので、愛知県が好きな人、県外出身者であっても愛知県の魅力を発信できる人が重要な指標でした。次に現代の忍者のイメージであるアクロバットな動きができる人。そしてなによりも忍者になりたいという想いが強い人という点を重点的に考えてもらいました。

忍者隊はスタッフも含めCOOL

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Ninjack編集忍

合格したメンバーの皆様の合格直後の反応はいかがだったのでしょうか。

安達 メンバー全員、ものすごく気合が入った目をしていた印象があります。また、衣装を纏ってないにも関わらず、キラッキラな光が出ていたような感じがありましたね。今も当初の期待以上の働きをしてくれています。だんだん忍者隊を見るお客様の目もキラッキラになってきている気がします。

Ninjack編集忍

一番近くで忍者隊を応援しているお方だと思いますが、それぞれのメンバーについて思うところなどはありますか?

安達 そうですねぇ。まず服部半蔵についてはお披露目の時に「世界中を愛知県民にする!」って言ってくれたので、うちの課内でも「大丈夫か大丈夫か」と少しザワザワしました(笑) でも彼はオーディションの頃から意気込みも凄く、全てを投げ打って覚悟を持って忍者として取り組んでくれています。自分で感じたことを次々と提案したり試してみたりしてくれているので、安心感がありますね。あの半蔵の甦りですから当然ですよね!

助乃心は寡黙でしゃべらないんですけど、非常に周りを見ていますね。彼がいるときは安心しています。

三平は大変器用です。その場その場で状況判断してこうしましょう、ああしましょうと対処するんですよ。三平も子供に受けますね。

水蓮はつとめて冷静ですよね。見てて安心感があり安定しています。くノ一というところでの役割を理解してやっているからだと思います。子供への対応もピカイチです。いつか水蓮とは酒が飲みたいですね。

伊吹は昨年からのメンバーなので信頼を置いておりますね。もう言わなくてもわかるだろうという域なので特に言うことはないかもしれません(笑)

月影は面白いキャラですね。寡黙ではあるんですがちょっと怖さがあるんですよ。おもてなしのときに観光客がびっくりするらしいのでもうちょっとソフトに行った方がいいときもあるかもしれませんね(笑)

は外国人ということで苦労することもあるでしょうが、器用ですね。外国人対応もそうですし、メンバーとして頼もしいです。

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安達さんから見た忍者隊の良さはどこだと思われますか?

安達 これはスタッフも含めて言えますが、国内・国外問わず、どのようなイベントもクールにこなしていくことですね。やはり現場ではいろんなことが起こるのですが、サラッと対応し、あたふたしたところを見たことがありません。あ、ただ一度だけ。手裏剣投げ体験の時に水蓮の手裏剣が的から大きく外れ、遠くの屋根の上に乗ってしまったことがありました。あの時の水蓮の呆然とした顔は面白かった記憶があります(笑)相当焦っていたと思います。

目標は見習い忍者を今年度10,000人

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Ninjack編集忍

どうでしょう?忍者隊の貢献で観光客は増えていますでしょうか?

安達 確実に増えていると思います。名古屋城で開催している忍者学校(9月25日まで。今後は出張型で開催予定)を目当てに県外から名古屋城にお越しいただいておりました。また、県外で観光PRをした際も忍者隊のステージ演武を観に愛知県に行くとおっしゃる方も多く、忍者隊もかなり貢献していると思います。

Ninjack編集忍

お客様の反応はどういったものが多いですか?

安達 やはりアクロバットな動きを取り入れたステージに、皆さん驚きの声を上げてくれます。外国人をはじめ、どなたでも楽しめる構成にしておりますので、多くの方が楽しみながら史実を基にしたストーリーを通じて楽しんでもらえていると思います。特におもてなしについては、観光客の方に楽しんでもらいたいという気持ちをしっかり持っておもてなしをしてくれていますので、本当に誇れるものになっていると考えております。

Ninjack編集忍

今後の忍者隊の展望などを教えてください!

安達 今はまだ話すことはできませんが、もっともっと魅力ある愛知県の観光PR隊として活躍するとともに、国内外の多くの観光客の方が愛知・名古屋を始めこの地域に観光で来るきっかけになるような仕掛けを考えています。ぜひ楽しみにしていてください。また、今後は世界中の忍者になりたいという声に応えるため、徳川家康と服部半蔵忍者隊の見習い忍者として1万人を募集しています。名古屋城で行っていたときは2,000人ほどの方にお越しいただきました。今後は出張のイベント型にて随時開催していきますので、忍者になりたい方は服部半蔵忍者学校にご参加ください。

Ninjack編集忍

ちなみにライバルと考えている団体はいらっしゃいますか?

安達 忍者団体でいうとみなさん役割が違いますからね。ライバルとして忍者団体を指すのははばかられますが…分野は全く異なりますが海外で大ブレイクしている点を捉えると「BABYMETAL」でしょうかね。ライバルとは言えませんが目標として刺激を受けています。海外の人に知ってもらって、忍者に会いに来てもらえると観光PRついては最高ですね。

Ninjack編集忍

でしたら忍者隊のみなさんも歌ったらいいのでは…?

安達 忍者のみなさんは歌えるのかなぁ…相談してみます(笑)

ぜひ忍者隊に会いに来て欲しい

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Ninjack編集忍

安達さんも忍者自体はお好きなのでしょうか?

安達 いやぁ本当に憧れますね。忍者の本来の役割である情報収集ですとか総合的な突出したスキルは、仕事にも大いに役立つと思っています。情報を司って戦略を練って任務を達成するのってカッコイイじゃないですか。できることなら忍者になりたいですね!

Ninjack編集忍

では服部半蔵忍者隊の8人目はもう決まりましたね!

安達 いえいえ、それはマズイかと(笑)しかし彼らにはいろいろ見習いたいなと思います。

Ninjack編集忍

そんな安達さんにとって忍者とは何でしょうか?

安達 今は人生の大事な一つですよね。県の行政の仕事としては一番面白い仕事だと思うんです。他では絶対にできないはず。行政をやっていてこれだけ達成感を感じられる仕事はありません。

Ninjack編集忍

Ninjackをご覧の読者にひとことお願いします!

安達 愛知・名古屋はサムライ&NINJAに毎日会える街ですので、是非とも足を運んでみてください。サムライ&NINJAが魅力ある愛知・名古屋を教えてくれるはずです。

編集後記

まさか忍者隊が外国人だらけになる可能性もあったとは!

県庁の方ってもっとお堅いかと思っておりましたが、フランクに対応してくださった安達さんでした。

お話をお伺いしていて、確かにこれだけ忍者に理解のある行政は愛知県くらいでしょうね。

三重県や滋賀県、長野や長崎も忍者には力入れていますが、運営はだいたい観光協会に任せているはず。

県庁職員で忍者専任担当者がいるのは愛知だけなんじゃないかな、と思います。

知事もノリノリみたいですし、愛知の今後の躍進劇を楽しみにしていきたいですね!

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