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【Nin-terview #010】装束がカッチョいい!犬山忍術道場・師範「疾風の刃」にインタビュー!

【Nin-terview #010】装束がカッチョいい!犬山忍術道場・師範「疾風の刃」にインタビュー!

dsc_01愛知県を流れる木曽川のほとりにそびえ立つ国宝・犬山城

犬山城の城下町で、城のすぐそばに構える忍術道場が犬山忍術道場です。

子供たちに大人気の西洋鎧風の忍び装束に身を包み、この犬山忍術道場にて忍者を広めるべく日々手裏剣などを教えるのは「疾風の刃」さん。

果たしてどんな想いで忍んでいるのかをインタビューしてみました!

デザイナーからレスラー、そして忍者へ

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Ninjack編集忍

刃さんはどういうきっかけで忍者の活動をするようになったのか教えてください!

疾風の刃 もともとデザインやイラストの仕事を行っていまして、あるプロレス団体の広告を制作するお仕事をいただいたんですね。イメージを湧かせるためにそのプロレス団体がどんなものか見に行ったことがきっかけでレスラーを志すことになりました。そこから1年半くらい練習生として稽古を続け、会社の方針で忍者キャラクターのレスラーとしてデビューすることになったんですね。ただの忍装束だと地味なので自分の好きな特撮ヒーローっぽい忍者の装束で入場のときだけでも目立とうと思い、ウレタンボードという素材で初代の忍び鎧を作成したのがきっかけでした。

Ninjack編集忍

まさか最初はプロレスがきっかけだったとは…プロレス界でも活躍されたのですか?

疾風の刃 それが所属していた会社にいろいろありまして、デビュー直前にやめることになってしまったんです。でも衣装などは全部自分で作ってしまっていたので、このまま眠らせるのももったいない。何を思い立ったのか、鶴舞公園で夜中にこの忍び鎧を着て1人プロレスなどのパフォーマンスをはじめました。夜中の鶴舞公園はヤンキーと酔っ払いしかいないような状況だったので、いろんな人に絡まれましたが、修行だと思ってパフォーマンスの腕を磨いていきました。特に空き缶などを置いていたわけでもないのに、投げ銭を置いていってくださる人も増えてきたのは嬉しかったですね。

Ninjack編集忍

おもしろい経歴ですね!犬山での活動はいつ頃からだったのですか?

疾風の刃 舞鶴公園でのパフォーマンス夜中しかやってなかったのですが、だんだんと昼間にも活動時間を広げていって、地元の犬山でも昼間にこの忍び鎧をつけて街を練り歩いてみたりしました。最初は怒られるかと思っていたのですが、意外とみなさん暖かく受け入れてくれて。そしてあるとき、武将隊などの甲冑を制作している「犬山甲冑制作同好会」のお爺ちゃんに声をかけていただき、軽くですが日本の甲冑の作り方を学ばさせていただきました。本格的な甲冑制作の技術を取り入れて、今の忍び鎧への改良に役立てています。

忍び鎧へのこだわり

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Ninjack編集忍

刃さんの忍び鎧、本当にかっこいいですよね!これで何代目の鎧ですか?

疾風の刃 今の鎧で4代目になりますね。素材にもよりますがだんだんと色が落ちてきたり劣化したりしますし、より動きやすさや機能性を重視していくと常に最高の忍び鎧を追求したくなり、何度も改良を重ねています。

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※2代目の忍び兜

Ninjack編集忍

犬山甲冑制作同好会から教わった技術は、鎧制作にどのように活かされているのでしょうか。

疾風の刃 武士の甲冑というのは基本的に体全体が固められてしまうので、俊敏な動きには対応ができません。忍者の特性を生かした動きをしようとすると普通の甲冑では曲げたりねじったりという動きができないので、自分で試行錯誤して改良を重ねていった結果、人体の脊髄を参考にした鎧にすることで動きやすさを実現することができました。

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Ninjack編集忍

兜にも工夫が施されているとのことですが…?

疾風の刃 今まではこの兜をつけると何か食べたり飲んだりしようとすると兜を一度全て脱がなくてはならなくなり、かなり面倒だったんです(笑)。なので装着したままでも口にモノが入れられるように改良しました。

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Ninjack編集忍

おぉ、これは機能的ですね!フルフェイスのフェルメットよりいい感じです!

犬山忍術道場の師範として、生きる為に大事なことを教える

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Ninjack編集忍

犬山で忍術道場を開くまでの経緯を教えてください!

疾風の刃 伊賀流手裏剣打選手権大会予選の愛知会場は第3回くらいまでは名古屋だったのですが、名古屋では忍び装束を着て歩けないということもあって、犬山城のロケーションも良かったことからも犬山で開催することになったのです。しかし、手裏剣の練習をする場所がないという声が多く出てきまして、ちょうど甲冑制作同好会の方のお知り合いが犬山にあるビルの活用に困っていたので、そこで手裏剣打ちの練習場所として道場を構えることになりました。そのビルが取り壊されることになったので、今は犬山城の下に移転して運営をしています。

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Ninjack編集忍

今は師範として諸々教えていらっしゃると思いますが、武道などを習っていらっしゃったのでしょうか。

疾風の刃 小さい頃に祖父の影響もあり、空手・剣道・柔道・古武術などを習わされていたので、一通りの基礎はやったと思います。剣術は大人になってから教わりまして、今は剣術・手裏剣術をはじめとして、生徒が教えて欲しいことがあれば何でも教えるようにしています。今は高校生がメインでしょうか。希望があればデザインについてや、社会に出た時の厳しさなど、忍者や武術に限らず総合的に生きていくために大事なことを教えるようにしています。私も教わりませんでしたが、今も学校では教えてくれないようですから。

Ninjack編集忍

おもしろそうですね!ちなみにこの犬山忍術道場の「猫田サケ」さんとは一体何者でしょうか?

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疾風の刃 あぁ..これは昔の会社で研修が多くてとても眠かったときに、眠気覚ましに落書きをしてて生まれたんです(笑) あまり深いところまで考えていませんでした(笑)

忍者の表現を生み出す「忍者アーティストの顔」

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Ninjack編集忍

刃さんはイラストレーターの特技を活かして「忍者カード」なるものも作られていますよね。

疾風の刃 伊賀流忍者サークルの「伊賀之忍砦」に所属するメンバーの忍者みなさんがそれぞれバラバラの名刺を持っていたのですが、イラストも統一して1つのカードゲームにすれば面白いのではないかと考え、企画を提案しました。最初は遊戯王みたいなカードゲームを想定していたのですが、なかなか難しかったので名刺という形で希望者のイラストを描くようになったのです。ご好評いただいて忍砦で30名ほど書いたでしょうか。調子に乗って自分のホームページで「一般の人も忍者衣装も書きますよ」と告知したところ、最終的に300近くの依頼が来てしまって対応しきれなくなってしまい(笑)。今は砦メンバーの紹介があれば描くようにしています。

Ninjack編集忍

とある少年がこの忍者カードをきっかけに忍者が好きになって、カードを集めまくっているというのを聞いたことがあります。すごい影響力ですよね!

疾風の刃 実はそういうところを狙っていた部分もあって、野球のトレーディングカードもアメリカなどでめちゃめちゃ流行ってて、これを忍者でできたら面白いなと思ったんですね。選手名鑑のような形にしちゃって交換会みたいなこともできると、忍者がさらに盛り上がると思っています。忍者カードを集めたい人が「伊賀のお店や施設を利用するとカードがもらえる」みたいなことができると、地域の活性化にもつながると思うんですけどね。自分だけじゃなくて他のイラストレーターの人が参戦したりして、カードのレパートリーが増えて人気も出てくると、忍者の人達にも何らかの権利収入などが発生する可能性もあるのではないかと考えています。

Ninjack編集忍

忍者カード…なんか夢が広がりますね!最近写真とかもやってますよね?

疾風の刃 最初伊賀に行った時に忍者の写真を撮ったんですがなかなかうまく撮れず、いっその事「写真を絵にしてしまおう!」と思って加工アプリなどをフル活用したんです。そしたら奇跡的にとても素晴らしい1枚が出来上がりまして。そこから忍者写真をアートに加工することにハマってしまいました。写真集なんかも作っていますよ。この間は伊賀で写真展を開催しましたが「どうやってやるんですか?」とお問い合わせを受け、実際にモデルになってもらったりしてワークショップも開催したりしました。

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Ninjack編集忍

うおぉ、本当に絵みたい!味がでてます!

疾風の刃 この後はモデルを僕だけではなく他の人もたくさん撮っていき、ニューヨークで個展なんかもできたらと考えています。

Ninjack編集忍

刃さんは忍者アーティストでもあるんですね!

今後の忍者界には新しいビジネスモデルが必要

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Ninjack編集忍

今後の展望などがあれば教えてください!

疾風の刃 手裏剣をもっと普及させたいですね。多くの方に体験をしてもらっていますが、みなさん「意外とおもしれー!」と大人の方も含めて喜んでくださいます。ダーツバーみたいな場所で気軽に手裏剣ができるようにしていきたいです。

Ninjack編集忍

その他忍者界全体的に見てやっていきたいことなどはありますか?

疾風の刃 今僕が問題だと思っているのが、忍者をやりたい人が忍者を続けるだけのお金儲けができていないことです。衣装を作るのにも、活動するための交通費にも結構バカにならないお金がかかります。自分が楽しむのもよいのですが、それだけではなく次の世代の忍者に憧れるような人が忍者になって食っていけるシステムを作っていくことが重要だと考えています。
他の伝統工芸でも問題になっていますが、文化を継ぐ人がいなくなるとその文化自体が絶滅してしまいます。忍者もそのようになってはいけない。忍者に憧れた子供達が将来忍者の良さを受け継いでいくためには、我々大人の忍者たちが最低限お金を儲けることができる仕組みを構築しないといけないと思うのです。
そもそも忍者は生活必需品ではありません。なくても生きていけますから、真っ先に切られる対象になります。アイドルと同じように、生活を切り詰めてでも夢中にさせるような存在になれるかどうかについて、もっと本気で考え取り組むべきだと考えます。

Ninjack編集忍

そのために刃さんは今後何をしていくのですか?

疾風の刃 いろんな形のトライ&エラーを積み重ねていきたいと思います。忍者カードや忍者写真もその一環ですが、いろんな新しいことにチャレンジをしていくことが重要だと思うのです。

疾風の刃にとっての忍者

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Ninjack編集忍

刃さんにとって忍者とはなんでしょうか?

疾風の刃 忍者とは表現のすべてですね。忍者というテーマを元にあらゆることを表現していきたいです。カードだったり写真だったり、アクションだったりキャラクターだったり。忍者はみんな大好きなのでみなさんの心を掴む忍者というのを創り上げていきたいと思います。

Ninjack編集忍

最後にNinjackをご覧の方にひとことお願いします!

疾風の刃 みんなで忍者になりましょう!そして僕たちと一緒に忍者業界を盛り上げていきましょう!

編集後記

忍者界の未来について、大変アツい想いを抱いていることがヒシヒシと伝わってきた疾風の刃さん。

まさか忍者になったきっかけがプロレスからだとは思いもよりませんでしたが、次々とかっこいい忍者像を打ち出していく「忍者アーティストの顔」が色濃く出ていらっしゃるお方だと感じました。

そして子供にも大人気のこの忍び鎧、やっぱりいつ見てもかっこいいですね!

今後の未来のために、犬山だけでなく忍者界全体を盛り上げていただけることを期待したいです!

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