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【Nin-terview ♯003(1/2)】京都「NINJA DOJO and STORE」イケメンオーナー忍者「六代目 市川伊蔵」

【Nin-terview ♯003(1/2)】京都「NINJA DOJO and STORE」イケメンオーナー忍者「六代目 市川伊蔵」




京都に忍者道場を構えるイケメン忍者 「六代目 市川伊蔵」 にインタビュー!

2015年5月、京都の中心部に突如「NINJA DOJO and STORE」なる忍者関連施設が現れました。
スタイリッシュな内装に、誰もがわくわくする仕掛けとアイテムがいっぱいのこの道場。
既に京都へ観光に来る外国人たちの間でじわじわと話題となってきています。
今回は外国人観光客に人気の「NINJA DOJO and STORE」を運営する「市川伊蔵」さんのインタビュー!
外見から中身まで本物のイケメン忍者・伊蔵さんを深く知るチャンス、見逃せません。
すべてのNINJAをJackするNinjack.jpがお届けする忍者深掘りインタビュー第3弾です。

四十にして惑わず 忍びの道へ

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ー ずっとこの道場に来たかったのですがやっと来れました!今日はよろしくお願い致します!「六代目 伊蔵」と名乗っていらっしゃいますが、お名前の由来を教えていただけますか?血筋についてわかってることなんかも教えていただければ嬉しいです。

伊蔵: 自分の六代目前の爺さんが「伊蔵」という名前だったんです。家柄的に自分が襲名してるわけではないのですが、いい名前だったのでいただきました。両親から忍者に関することを聞いた事はないですが、自分でいろいろ調べたら先祖はどうやら忍者だったらしいという事実に辿り着きましてね。戸籍を調べたり、元々先祖が住んでいた土地を調べたり、あと川上先生(甲賀伴党忍術の現後継者)にお聞きした話も合わせて考えると、どうやらそうらしいと。伊賀北部の阿山・丸柱村が出身なんですが、そこは神君伊賀越えのときにも家康が通った場所で、丸柱にも忍者がいたらしいです。六代目前の伊蔵の爺さんの息子さんのときから丸柱に移住してきたらしいのですが、その前は「柘植の野村」という地域に住んでいたらしいです。

ー 野村っていえば、「忍びの上手11人」にも名が載っているあの野村ですよね!忍者がいっぱいいた地域ですね。

伊蔵: そうですね。野村に住む市川姓の一族だったのですが、伊賀に市川姓はうちくらいしか残ってないようです。川上先生に教えてもらったら、忍術古文書の中に「市川二傳の巻」というものがどうやらあるみたいでして。そこから考えると、祖先は忍者だったのではないかと思います。昔はそんなこと考えたこともなかったですが、調べていったら嬉しくなってしまいましたね。

ー えっ凄い!うらやましいですね!調べてわかったとのことですけど、なぜ調べようと思ったのでしょうか。小さい頃から忍者が好きだったんですかね。

伊蔵: 興味はありましたが、そんなに自覚して「めっちゃ忍者好きです」って感じでもなかったですね。地元が忍者の村ということは知っていましたが、本当にその程度でした。全国の子供達と一緒で、ハットリくんや赤影などを見て、普通に忍者が好きだったくらいですかね。地元に忍者の歴史や財産があるので他の人よりは好きだったとは思いますが、自分で研究しようと思うまででもなかったです。

ー ではいつ、何がきっかけで忍者に目覚めたのでしょうか?

伊蔵: 40歳を過ぎてから、うちの親父の仕事をつぐことになりまして。そのときやっていたデザイン・広告関係の仕事を辞めて田舎でのんびり暮らしていこうかと考えたんですけど、多分人生って分岐点があるんでしょうね。40はちょうど「人生の折り返し地点だ」と考えたときに、前半の40年が人からいろいろもらう人生だったとすれば、残りの40年はもらったものを返していかねばならない年。突然そういう気持ちになりました。稼業はデザインも忍者とも関係ない仕事で「何か物足りないな」と感じたときに、地元を盛り上げたいという気持ちもあって、その地元・伊賀は世界にも通用する忍者という財産があるのだから「自分で忍者ビジネスとして取り込んで世界に広めていけたらいいな」と思って始めたのがきっかけですね。だからホント40になってからです、忍者は。なんでしょね、この突如目覚めた感(笑)

ー 「四十にして惑わず」とかいいますが、まさか忍者に惑わなくなった人はいないでしょうね(笑)

メンターは石川五右衛門

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ー 忍者に目覚められてから特に好きな忍者とかいらっしゃいますか?

伊蔵: 石川五右衛門が好きでして、最初はルパン三世がきっかけでしたね。忍者とか関係なくあの存在が好きだったんですが、20代の頃に石川五右衛門のモデルになった人が実は忍者だったという説を知り、京都で義賊として活躍したとき、南禅寺の大門で見栄切ったりとか、秀吉暗殺未遂とか、自分が京都に住んでいたということもあり、何かすごく魅力を感じたんですね。しかも地元の丸柱の隣が石川五右衛門の生誕の地とされている石川村なのです。彼にはとても縁を感じています。

ー じゃあ伊蔵さんもやっぱり最後死ぬときは釜茹でになるのですか?

伊蔵: 釜茹ではきっついですね(笑)大往生はしたいですけど、せめて南禅寺で大見栄切るくらいにしといてください(笑)

ー じゃあ今のうちに辞世の句も考えておいていくださいね!

伊蔵: 石川や〜 ですね(笑)

忍者を学ぶなら日本文化も学べ

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ー 忍者に目覚めてからというもの、他にもお茶とか着物とかいろんな日本文化に関するご活躍をされていますよね。元々日本文化が好きで前からやっいたのでしょうか。

伊蔵: いえ、忍者を学ぶにはその周辺の日本文化を知らなければならないと思ってから、はじめて日本文化もいろいろと体験しています。「忍者のことを知りたい!」って思ったとき、過去を振り返ると中高生のときにもっと歴史を勉強しておけばよかったって思いませんか?

ー はい、それめっちゃ思います!忍者調べていくとどうしても当時の時代に関する周辺知識が必要になるんですよね。 今は大好きですけど、当時は日本史とか大嫌いでした(笑)

伊蔵: それと同じで「今からでも遅くないな」と思い、学んでいます。忍者のことを深く知ろうと思ったときに、それに付随する日本の伝統的なモノやコト、忍者から横展開される歴史を知らないと、忍者のことも見えてこないんですよね。仏教もそうですし、修験道もそうですし、茶道などの文化とのつながりを知ることで、忍者のことをもっと深く知ることができるようになるんです。

ー そういうことだったんですね!日本文化つながりで一体どれだけのことに携わってるんですか?

伊蔵: いろいろやってますね(笑)自分がただ好きでプライベートでやっていることもあれば、昔のデザイン・広告関連の仕事の経験も活かして老舗の旅館などのコンサル・プロデュース業もやっていて、「ワークショップして集客したい」などの要望があればイベントをやったりとか。

ー 前に着物のファッションショーにモデル出演もされてましたよね。着物も結構お好きなのですか?

伊蔵: あれは「出るか?」って聞かれたから出ただけなのですが、着物は忍者観点でもとても興味があります。装束の歴史は忍者に凄く関連があるんです。着物の形に意味があって、形の変遷にも意味があって。例えばナンバ歩きとか身のこなしや立ち振る舞いも、自分達が着てきた装束に関連してるんですよね。

あとは文化としての着物ですね。ちょっと忍者から話はずれますが、着物は日本を象徴するような大事な文化です。日本の職人の変遷を象徴するものでもあって、着物ができるまでに30〜50くらいの行程があるのですが、その行程一つ一つに職人さんがいるんですよ。ジャンルの全然違う職人さんですね。まずは糸を作りますよね。そして糸作る中でも、蚕を飼う人、糸を紡ぐ人、布にする人、図案する人、染める人、型作る人、縫製する人・・・と全然違うカテゴリの職人さん達がいて、ここまで1つのもの作るのに完全分業されてるものって世界的に見てもなかなかないんですよね。他の日本の伝統文化もここまでではないにしろ、多くの職人さんが携わっています。

昔はそれで経済が回ってたのですが、着物の需要が落ち込んでいくと各職人がやめたり高齢化問題で、職人の数が減り継ぎ手も少なくなりました。ひとつの工程でも無くなればもうこれらの伝統文化が残せなくなってしまうわけですね。オリンピックなんて言ってる場合じゃない。かといって、昔みたいに日本でお茶とか和菓子とか着物が日本内で売れるようになるかっていうと、そういう未来は描けません。であれば、需要を海外にも求めていくべきだと考えています。海外からしたら「なんてもったいないことしてるんだろう」って話じゃないですか。日本でしかできないユニークなものですから、少しでも日本文化が海外で注目してもらえるきっかけとなり、ひいては日本の職人さんの技術を次世代に継ぐ一助になればと思っています。伝統文化、伝統工芸に関わってる人に話を聞くと危機感と使命を持ってる方が多いですね。特に同世代は「あと10〜20年が勝負や」って言ってますね。

ここの道場は、その日本文化の海外での需要活性化の目的も一部持っています。「NINJA」は海外でどこでも通用する共通言語になっていますよね。海外の人が「日本の京都に忍者道場があるらしいぞ」と興味持っていただき、忍者について解説するときに、他の日本文化の説明もちょっとずつ挟むようにしています。今後着物の着付などもやる予定でして、忍者だけではない日本文化に少しでも興味持ってもらえたらいいな、と思っています。

ショー

ー 日本人として、とてもいい試みですね。でもただの昔のままの伝統をそのまま伝えるんじゃなくて、伊蔵さんのセンスというか、モダンな感じもあってとても魅力的なんですけど、革新なども意識してるんでしょうか。

伊蔵: はい、意識していますね。私達の今の世代の人が思っている「伝統文化」っていうのは本来の伝統じゃないように思うんです。伝統は革新があってこその伝統、もっとLIVEであり傾(かぶ)いてるもので、今もこの先も生きていかねばならないものです。私たちが言っている伝統は「過去の遺産」というイメージですが、着物の例でいっても、いろんな変遷があっていろんな革新があって、それが10年とか20年のスパンよりもっと短く時代に合わせて変わって来たからこそ、今も伝わっているんです。だから「何かを変える」ということは、残すためにとても大事なことなんです。でも、この現代においては「何かを変える」=「今あるものを壊す」と捉えられてしまっている節があって、現代では自分達で考えて何かを変えて行くことをしなくなってきていると思います。これからも伝統を伝えていくためには、現代の人々の琴線に触れてもらわねばなりません。そのときデザインはとても重要で、人々のニーズにあったものでないと誰も見てくれません。最初は興味を引くだけで、おかしな客寄せパンダのようなものだったとしてもそれは致し方ないことであり、きっかけがなければそこに辿り着きすらしません。だからデザインは重要視しているというのはありますね。

ー Ninjackも全く同じ考えで運営しています!なんか同士がいたみたいで嬉しいです!

伊蔵氏の忍者活動の全貌

ー この道場以外にも忍者の活動を多くされていますが、他にどんなことをやっていらっしゃるのですか?

伊蔵: 伊賀の忍者好きが集まる伊賀流忍者サークル「伊賀之忍砦」の役員をやっていたり、他には池田先生(忍者研究家)が発足した「伊賀忍者研究会」の事務局長なんかもやっていますね。あとは京都忍者迷宮殿のディナーショー「幻術桟敷」で使うオリジナル忍者装束を作ったりしています。

ー 伊賀忍者研究会の本「忍者の教科書」が出版されたときは伊蔵さん新聞にいっぱい出てましたよね!

伊蔵: あれは代表の池田先生が外に出るのめんどくさい人なので、出るように指示されただけです。完全に操られてるだけですね(笑)なんなら自分が書いたみたいに見えちゃってますよね(笑)

新聞

ー あれそうだったんですか(笑)他に海外への忍者体験をプロデュースを何度かやってますよね。台湾とかスウェーデンとか。

伊蔵: やってますね。台湾は「妖怪村」というところに行ったのですが、京都内に百鬼夜行の伝説が残っている商店街の妖怪町おこしをやっているプロデューサーの子が、台湾の妖怪村の方と連携しているんですね。プロデューサーの子と知り合いだったので、冗談で「忍者も連れてって」と言ったら連れてってくれたんですよね。やはり考えているだけではダメで、口に出して行動に起こすことが大事だというのは改めて思いました。行ってみたら噂どおり親日で、すごく優しく迎えてくれます。手裏剣体験などをやってもらったのですが、忍者の格好を見て「忍者」だとわかっていましたし、手裏剣も知っていました。日本と同じかそれ以上に忍者に興味持っていて、有料でもやりたい人が結構多く「みんな興味あるんだ」ということがわかりました。実際に行ってみないとわからないことだったと思います。

スウェーデンに行って思ったのは、明らかに忍者に対する認識が国内と海外で違うことですね。国内で忍者といえば「子どもの遊び」で、みんな忍者なんてもちろんいないと思っているし、架空の存在でしかないです。「忍者やってます」なんて言おうものなら軽く笑われますね(笑)。そこは別にいいのですが、これに対して海外の人は「もちろん忍者はいるんだろう」という認識なんです。架空ではなくて、リアルに日本には忍者がいて、忍術があると本気で思っているんです。カテゴライズで言ったら柔道・剣道・茶道と同じ位置に「忍術」があるような。「日本に行けば当然忍術習えるんでしょ」と思っています。スウェーデンでも「この人達は本物で、貴重なことを教えてくれるんだろう」という感覚で迎えてくれました。忍者に対する海外の方の認識が凄くよくわかりました。

ー やはりそうなんですね。逆に言うと期待値が凄く高いんですよね。

伊蔵: かなり高いですね。向こうの人達は忍者のエンターテインメントも好きですが、本物も見たがっています。脚色されたものではなく本物の忍者から学びたい。そのため、忍者の精神や忍者が使ったもの、実際に忍者がなんだったのかが世界には求められているんでしょうね。そんな気づきも、この「NINJA DOJO and STORE」を立ち上げた理由のひとつになっています。

▽京都の忍者道場とは一体何か?そして伊蔵さんの今後の野望は? 第二巻はこちら
【Ninterview ♯003(第二巻)】京都「NINJA DOJO and STORE」イケメンオーナー忍者「六代目 市川伊蔵」

参考書籍・関連リンク

道場公式サイト:NINJA DOJO and STORE

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