〜前回までのあらすじ〜
本能寺で茶会を開く信長公。
“時”が来るまで天井裏に潜むヤスケ先輩。
いよいよその時がやって来る…!
CASE STUDY
依頼主からの任務で信長が本能寺から出ないか見張るヤスケ先輩。
空腹を兵糧丸で満たし、喉の渇きを水渇丸で癒し、何とか天井裏で2日間耐え忍びました。
その日の夜、急に本能寺の外が騒がしくなってきました。
いそいそと逃げようとする信長ですが、足の裏になんか違和感を感じました。
信忠は部屋を飛び出し敵の中へ、信長はへたりながら迫りくる火の中へと消えて行きました。
そう口ずさんでヤスケ先輩は本能寺を後にしました。
本能寺は炎に包まれ、以後信長の姿を見たものはいなかったそうです。
それにしても、信長が踏んだものとは一体なんなんでしょう。
結構えげつない鉄のマキビシ
忍者がよく使う道具として「マキビシ」を知る人は多いでしょう。
マキビシは基本的に、家の中に忍び込んで見つかったときに追っ手から逃げるために使った道具です。
あの三大忍術伝書の1つ・忍秘伝にも「蒔菱之事」としてその存在が記されています。
家の中に忍び入って人が追って出くるのを防ぎ、自分が逃げやすくするとき
▼素材
鉄・竹
▼使い方
道に撒く(自分が逃げる方向には置かない)
忍秘伝では絵でも鉄菱を説明しており、その長さは一寸五分と記載があるので約4.5cmの大きさですね。
そして大事なのは使い方です。
追われたときにとっさに投げるイメージがありますが、あらかじめ敵が通りそうなところに撒いておく、というのも正しい撒き菱の使い方なのです。
マキビシを使って遁走することを「菱撒き退きの術」と言います。
そして鉄の菱が怖いのはその形状。
先っちょに戻り(釣り針みたいな引っ掛けるやつ)が付いているので、抜こうとしてもなかなか抜けないのです。
どうしても抜きたければ肉をえぐりとるか、突き刺された部分を大きく切り裂かねばならないという。。
踏んだだけで一巻の終わりって感じがしてきますね。
この鉄菱に毒が塗られて使われたかは定かではありませんが、ただでさえ抜けない鉄菱に、さらに毒まで塗られていたら…
考えただけでぞっとしますね。。
忍者さすが汚い。
この忍者かるたの作者・撒き菱が大好きなのか、実は忍者かるた内にもう1枚撒き菱の手札が存在しています。
今回は鉄菱の使い方中心に説明しましたが、次の撒き菱のターンがきたら撒き菱の作り方について解説したいと思いますのでお楽しみに!!