こんにちは、Ninjack研究忍です。
「忍術書を読んで突っ込んでみよう企画」、後半戦もお楽しみください!
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目録 - MOKUROKU -
まだまだ続くNinjack編集部座談会!
利根をもって欲心を隠すこと
利根をもって欲心を隠すこと
人に欲心なき者はいない。いつもは理性で欲心を隠しているものである。欲心にもいろんな種類があり、無欲と見せて大欲がある人もいる。この人は少しの賄いは受け取らないが、大量の賄いであれば受け取るものである。これを「無欲の大欲」という。また金銀に欲はなくとも色欲がある者もいる。まずは付け込む人の大欲小欲を計る必要がある。
忍び笠のこと
忍び笠のこと
これは編み笠のことである。顔を隠すのに用いる。また夜中に道で都合の悪い知人とすれ違うとき、挨拶しては都合が悪く、かと言って焦って隠れてもバレる。こういう時は両手で顔を隠して通ればオーケーである。この術を「内伝の忍笠」という。
人家を眠るを知ること
人家眠るを知ること
家の軒先へ、先端に小石か鉄砲玉を付けた糸を垂らして、地面スレスレにしておく。そのおもりが地面に着いたら、家の者は眠ったと分かる。これは人の気が鎮まるためである。
犬を用いること
犬を用いること
この犬とは、本当の犬ではなく、人を用いるということである。犬という字は、「一人」と書いて点を添える。これは一人に一人を付け置くという意味である。このように、人に人を付けて、先方のことを調べるのである。
忍び妻のこと
忍び妻のこと
人家へ忍び入るときは、女への恋文や誓いの手紙を作っておき、髪留めなどのプレゼントも持って忍びこむ。もし先方に捕らえられたとき、こうした物があれば、不義密通であると言い開けば、忍びであることは詮索されない。
一体分身のこと
一体分身のこと
忍び入って見知られてしまったときは、他の人の着物を着て、大小の刀を差し替えれば、風体が変わってバレないものである。また、言ったら自分の都合が悪くなるような事柄を人に言わねばならないとき、他の人に言わせるように仕向ける。これも一体分身の術である。
窓下に忍ぶこと
窓下に忍ぶこと
忍ぶには窓の下が最も良い。なぜなら、窓の下には気付かないものだからである。さらに「窓蓋」という物を持って行くとなお良い。これは窓の下に当てて隠れるものである。板の形をしているが、口伝がある。
鉤縄のこと
鉤縄のこと
使い方は七通りあり、忍びはもっぱらこれを用いる。
盗賊のこと
盗賊のこと
忍びは、盗賊を見て学ぶべきである。忍びは入って様子を伺うだけであるが、盗賊は入って財宝を盗む。そのため忍びよりも盗賊のほうが一段上手である。忍びは盗賊よりもイージーであると心得るべきである。
水壁のこと
水壁のこと
忍び入ろうとする壁塀などに、毎日塩水を掛ければ、風化が進んで自然と穴が空く。この穴から忍び込むのである。穴は急に空くと目立つものである。
人の仲和ますようのこと
人の仲和ますようのこと
その人のことを陰でも悪く言わないと固く思えば、自然と仲良くなるものである。その人の親・子・妻などにも言い含めておけば、無二の友達になるものだ。
我本性隠すようのこと
我本性隠すようのこと
自分が好むことは、他人には好んでいないように語る。そうすれば本性は隠れるものである。人は意識しないと、本性が表れてしまうものだ。
酒に不和なきこと
酒に不和無きこと
人に言いたいことで、普段ではちょっと言いにくいことは、酒を飲んで酔った時に言う。そうすれば、先方も「酒飲んでるし、仕方ないか」と思ってくれるものである。
形相見るようのこと
形相見るようのこと
怒る時に顔が赤くなる人は勇相であり、青くなる人は怯えがある。また眼を大きくして喋るときは嘘を話すときであり、常に歯を見せて喋る人は貧相である。いつも下唇を噛みしめている人は、他人の心を気にする人である。
所伝の一巻、これは当流の秘事である。伝授の資格を得ている者(弟子)であっても、その者をよく察してから授けるべきである。軽々しい人には伝えてはならない。邪(よこしま)な人の謀策にも注意しなければならない。