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【Nin-Repo】真田忍者の末裔が伝授する「甲陽忍傳吾妻流躰術」稽古会に潜入!

【Nin-Repo】真田忍者の末裔が伝授する「甲陽忍傳吾妻流躰術」稽古会に潜入!




昨年、真田丸で人気を博した出浦昌相が住んでいた吾妻地方(現在の群馬県)。

吾妻の地にひっそりと、しかし脈々と受け継がれていた素ッ破の血や技術を受け継いでおられる方がいらっしゃいます。

「甲陽流忍傳吾妻流躰術」と称し、忍びの末裔である祖母に教わった吾妻古伝の幾つかの手を、中国の内功や、日本の体術の理論で再編成して、老若男女だれでも楽しめる術として教えている伊与久氏。

いにしえの忍者の動きを取り入れた体術なんて、興味が湧かないわけがありません。

定期的にに東京や京都、長野で稽古会をされているということで、今回はこちらに潜入して参りました!

甲陽忍傳吾妻流躰術とは?

戦国の昔、天下が戦で乱れたとき、上州吾妻の地では民衆は「郷士」と呼ばれる地侍のもとで刀などを手に取り、自らの里を守りました。

真田家が岩櫃城に入城した頃に熟練の忍者を用い軍団を編成しました。

彼らのもと、吾妻の郷士たちが真田の守りを固めることになったのです。

世の人々は彼らのことを「吾妻衆」と呼び、勇猛果敢で神出鬼没な戦いぶりから「真田天下一の武士」と称される礎を築いたといいます。

新田義貞の御家人・五十久弾正の流れを組む伊與久氏は、真田旗下にて弓馬の道を持って吾妻衆の一躍を担いました。

その伊與久氏の子孫である伊与久松凬氏が、小さい頃から祖母や一族の者、そして中国の古流武術を身につけて興したのが、この「吾妻流躰術」なるものです。

忍者に必要な体の動き「太刀之身」

稽古の様子を見に行こうと、浅草にのとある施設に入ると、テレビの上に何かが置いてあります。

忍者が崇めていた神様「摩利支天」の絵が飾られていますね。

手裏剣や鉄扇、煙管などの忍者武器もそっと置いてありました。

このお方が伊与久先生です。

今日は「太刀之身」を稽古するとのこと。

甲陽流忍傳吾妻流躰術の基本となる動きは、大きく分けて武者振りと手弱女振りという剛と柔の2つの系統があるそうです。

そのなかでも剛的表現の身体使いの最たるものとして「太刀之身」があるのだとか。

今回稽古を受ける生徒さん達です。

果たして終わった後には忍者の動きを手にいれることができるのでしょうか?

礼と九字で始まる吾妻流躰術稽古

忍びである前に日本人であるならば、まずは礼に始まり礼に終わることを大事にせねばなりません。

先ほど掲げていた摩利支天に向かい、ピシっと一礼。

実はこの礼の所作の中にも、忍びとして大事なポイントがぎゅっと詰まっているんです!

それは後ほどご紹介しますね。

柏手を鳴らし、九字を唱えて精神を落ち着かせます。

やはり忍術の流れを汲む躰術だけあり、摩利支天・九字など、忍者にとってはワクワクする動作が詰まっていますね。

お互いに礼を済ませ、いよいよ吾妻流躰術が見られる刻がやってきました!

決して油断しない礼法の極意

さぁ、気になるのがこの礼の作法です。

礼を欠かずに丁寧な感じはするのですが、すごく厳かな雰囲気が漂っています。

なんか全く油断も隙もない空気がプンプンしていますね。

大事なのはこの背筋の角度と視界。

お腹をものすごーく締めてグッと力を入れ、背中が机になったように張ります。

そして背中から頭までは一直線に維持し、首を曲げたり起こしたりはしてはいけません。

ポイントは、腹→肩甲骨→首→頭に至るまで一本の刀が入っているような感覚でまっすぐになるよう意識すること。

これにより素早い体捌きもできれば、力をたいして入れずとも強いパワーを発することができます。

この動作が太刀の身と呼ばれる身体の使い方。

礼においてもこうすることで失礼な感じを与えずに、かつ、後ろから来る攻撃以外は全て視界に捉えることができます。

忍者は相手のどんな隙も見逃してはなりませんし、いつ襲い掛かられるかもわからないので、礼を一つとっても用心せねばならなかったのでしょう。

しかし実際に殿中では、少なくとも畳1つ分、信頼できる相手でなければ畳2つ分以上離れた場所に座らせられます。

しかも間者の場合、絶対にボディチェックもされて、主だった武器は全て身体からは離されます

このような場合でもどうにか相手を封じて何とかしなければならないときは…

昔の人は、このように一瞬で間合いを詰め、蹴りで相手を崩し、持っている隠し武器などで仕留めたそうです。

背筋・丹田への力の入れ具合を意識して、どこが一番視界を確保できつつ低い礼ができるかを練習します。

みなさんだいぶ掴めてきたようですね!

これはTPOで、相手がめちゃめちゃ偉い方だったらひれ伏さないといけないので、相手が見えなくても仕方ないとのこと。

その時は別の方法で仕留めることを考えましょう!

曲者だとバレて相手に掴まれたら…

しまった、曲者であることがバレて相手に腕を掴まれてしまった!!

こんな危機一髪な状況、どうしてくれましょう。

でもこうすれば大丈夫です!

決して力を入れず、項を寄せてゆくような感じで胸を前に寄せて、肩甲骨から前に腕を上げて行きましょう。

これは一見踊りのような「はんなり」とした動きなのですが、これが所謂「手弱女振り」なのだとか。

どんな強靭な男に抑えられても、みるみるうちに手が持ち上げられてしまいます。

最後はバランスを崩されて倒されてしまいました。

これができるようになれば怖いものなしですね!

ここの具体的なやり方は非常に文章で説明するのが難しいのですが…

直接教えていただくと非常にわかりやすいので、ぜひ伊与久先生の稽古で習ってみましょう!

曲者とバレて後ろから掴まれたら…丸身抜きと轉座

二の丸の中に潜入して歩いていたら、全く気付かずに後ろから「おい!なんだお前は!」って掴まれることもありますよね。

これはやばい。

でも慌てずに丸身抜きを使って応戦しましょう。

力んで抵抗するのではなく、すっと身体を曲げて脱力させます。

一度地面に丸くなり相手の力を逃してしまいます。

そして「体転」と呼ばれる動きを使い一瞬で地面を転がり起き上がって…

相手の脚を斬る

これで情報を持ち帰って逃走することができますね。

このように、戦っているポジションがいきなり胸あたりから足元に切り替わることで、相手はそれに対する反応が遅れてしまうのですが、伊与久先生曰く、武術には「天・人・地」の3つの位があるようです。

ここで言う「位」というのは、自分は相手を攻撃するときに自分がいる空間位置的なものと解釈しました。

天は、ジャンプしたり、上から飛び降りたりして攻撃するパターン。
人は、通常の姿勢から繰り出す範囲で出せる攻撃パターン。
地は、地面にひれ伏したり転がったりして相手の足元から狙うパターン。

江戸時代以降に正式な剣術や武術として伝えられて行ったのは、その所作なども見ていて綺麗で格調が高い「人」の位のものがメインになりました。

ですが、吾妻流をはじめとして古くに使われていた地侍の兵法には「天」と「地」の術が多いのだとか。

これらは型としては決して綺麗ではないのですが、少人数vs大勢で勝ちを得るためには非常に合理的な術となっており、相手の虚を突く動きなのだそうです。

しかし平地での総力戦や、尋常の武芸勝負などは、いちいちしゃがんだり寝転んだりという雑技のような動作はあまり使われないことから、「人」の位が中心になった、というのも納得ですね。

地べたの低いところで座りながら歩くことを「轉座」(てんざ)といい、これが基本の動きになります。

ここから急に伏せたり、身体を回転させたり、後ろに跳んだりして低い位置でも自由に身体が動けるように訓練をするのです。

よく見る剣術ではなく、本当に昔残っていて地侍や忍びの者たちが使った動きっぽくて、なんだか感動しますね!

いきなり短刀で刺されるときは…

捕まって担当で刺される〜!ってとき。

もう絶体絶命の大ピンチですが、新米忍者であればこういうときも良くありますよね。

こんなときに形勢逆転するコツが「え、なんですか?」です。

え、なんですかってなんですかって?

相手が胸を突き刺してくるとき、右の方を向いて、相手の胸の方へ「え、なんですか?」って感じに耳を寄せて行きながら相手の攻撃を躱します。

その流れで相手のサイドに回り込み、手を思いっきり引いてはっ倒す!

これが「なんですか?」からの巻き落とし。

立っている場合でも同様です。

技を受けた方は、非常に滑らかに軽やかに崩れてお逝きになりました。

「優しさを持って接し、気づいたら相手が絶命していたような滑らかさでやってください」と伊与久先生。

終始このような冗談も交えつつ、教室では終始和やかな雰囲気でした。

こうして甲陽忍傳吾妻流躰術の稽古は終了です。

ありがとうございました!

終始和やかで大事なことを教えてくれる稽古会

生徒さんも笑顔ででも非常に勉強になるような感じで稽古会を終えていました。

でもその後、伊与久先生は自分にこのように語ってくれました。

伊与久「このように楽しく習っている分にはよいのですが、例えば人を害する目的を持った人がこれを使ったら、絶対世の中のためにはなりません。その意味では今の世の中、失伝した方がよい技術というものもある。術というものは諸刃の剣で、そういう側面もあるんですね。」

おそらくいろんな葛藤の中で稽古もつけてくださっているのだと感じました。

とはいえ、普通の技ではない、いかにも「地侍」の技と思われる動きにいくつも遭遇させていただきました。

このような身体の使い方は、小さな頃にお祖母さんから伝えられたそうですが、これが昔、真田家を支えた地侍や忍者がしていた動きだと思うと、ロマンを感じざるを得ません。

時を超えて現代に受け継がれる地侍や忍びの技。

それが知りたい、見たい、体験して見たい!という方はぜひとも稽古会へ足を運んでみてください!

関連リンク・参考文献
 ブログ「松凬の文武笑遥
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